ウシの盲腸内容物由来大腸菌の薬剤耐性(生物生産学科)

概要

論文の詳細を見る
沖縄県における家畜糞便由来薬剤耐性大腸菌の検出状況の調査の一環として, 今回はと畜場で解体直後のウシの盲腸内容物由来について調査を行った。ウシの盲腸内容物試料は, 品種等別に外産牛20頭, 黒毛和種5頭, ホルスタイン種5頭, 計30頭から採取し, 黒毛和種については農場で肥育中のウシ10頭の糞便も採取した。これらの試料から合計343株の大腸菌を分離し, 7薬剤に対する薬剤感受性試験を行った。供試した大腸菌343株のうち45株がいずれか1薬剤に耐性であり, その検出率は13.1%と低率であった。ウシの品種等別では, 外産牛が18.8%, 黒毛和種が6.8%, ホルスタイン種が6.7%であり, 外産牛で高かった。薬剤別の耐性菌は, 全体ではSA耐性24株, CTC耐性20株, KM耐性14株などが比較的多かった。外産牛ではSA及びCTC耐性が多く, またホルスタイン種では各薬剤に対する耐性菌が検出されたが, 黒毛和種ではKM及びSA耐性のみであった。耐性型は, 全体では12種類認められたが, 外産牛では単剤型から4剤型まで9種類, 黒毛和種では単剤型のみ2種類, ホルスタイン種では6剤型と7剤型の2種類であつた。耐性菌におけるRプラスミド保有菌は4株あり, すべて外産牛由来であった。
琉球大学の論文
1994-12-01