暖地型牧草と混植したトールフェスク (Festuca arundinacea Schreb.) の生育, 特に刈取間隔の影響(畜産学科)

概要

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暖地型牧草と混植したトールフェスクの生育に対し刈取間隔のちがいがどのように影響するかを明らかにしようとした。1979年4月から同年10月までトールフェスクとダリスグラス及びトールフェスクとバヒアグラスを組み合わせ, それぞれ2草種を1978年秋, 10cm間隔に交互混植して2週間及び4週間間隔の2処理の刈取を行なった。各刈取時期ごとに乾物重, 茎数, 分げつ発生数, 分げつ枯死数, 枯死株数, 群落内部の相対照度, 非構造性炭水化物(TNC), 根重を調べた。その結果, トールフェスクの場合, 2週間刈取区は4週間刈取区と比べ試験期間中の収量, 各時期における乾物増加量, 茎数, TNC含有率, 根重が少なかった。しかし, 分げつ発生数は6月に, 分げつ枯死発生数は7月中下旬に著しく高まった。試験期間中, 2週間刈取区の分げつ枯死数は発生数より著しく多かった。そのため枯死株が増加した。バヒアグラス混植区のトールフェスクの収量, 分げつ発生数はダリスグラス混植区のそれよりも両刈取区において高かった。しかしながら, 分げつの枯死数も著しく多かった。群落内地表面の相対照度は2週間刈取区のほうが4週間刈取区より高かった。以上の事より2週間刈取区のトールフェスクの生長速度の低下は分げつ枯死数の増加と7月以降の刈株のTNC含有率の低下によるものと考えられる。また, ダリスグラス混植区に比ベバヒアグラス混植区でのトールフェスクの枯死株が多かったが, これは, 分げつの枯死発生が7月中下旬から9月下旬にかけて多発した事による。本実験での4月から10月にかけての2週間刈取という頻繁な刈取は, 暖地型牧草と混植されたトールフェスクの生育, 特に, 分げつ及びそれに伴う株の枯死に大きく影響すること, また, 混在する暖地型牧草の草種のちがいにも影響される事が明らかとなった。
琉球大学の論文
1985-12-02

暖地型牧草と混植したトールフェスク (Festuca arundinacea Schreb.) の生育, 特に刈取間隔の影響(畜産学科)

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