肥料投入量がネピアグラス(Pennisetum purpureum Schumach)2品種の乾物生産性に及ぼす影響
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概要
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多量施肥条件下で, 乾物生産性に関する望ましい植物体形質を明らかにするため, ネピアグラスのルクワナとメルケロンの2品種について, 3水準の化成肥料投入量下で乾物生産性を比較した。植え付け後の5月中旬から11月中旬までの生産期間における総肥料投入量は, N成分量で1200, 600および120kg/haであった。ルクワナの総乾物重(TDMW)は肥料投入量の増加とともに増加したのに対して, メルケロンでは中量施肥区から多量施肥区にかけてTDMWの増加がほぼ飽和傾向を示した。このような全乾物重の変動と葉面積指数の変動とはほぼ一致し, 葉面積の変動は, 新葉生産速度の変異によっていた。すなわち, 中量区から多量区への施肥量の増加に伴い, 茎当りの総展開葉数がメルケロンでは増加しなかったが, ルクワナでは増加した。施肥量の増加に応じた葉数の増加並びに葉面積指数の増加に呼応した群落吸光係数の低下は, ルクワナのように多量施肥条件下において生産性の増加をもたらす植物体の要因であることが推察された。
- 日本草地学会の論文
- 1999-04-30
著者
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伊藤 浩司
宮崎大学農学部
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石井 康之
宮崎大学農学部
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伊藤 浩司
宮崎大学
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宮城 悦生
琉球大学農学部畜産学科
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宮城 悦生
琉球大学農学部
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石井 康之
宮崎大 農
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上野 昌彦
宮崎大学農学部草地学科
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SUNUSI Ambo
宮崎大学農学部
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伊藤 浩司
宮崎大・農
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上野 昌彦
宮崎大学農学部
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