刈り取りの高さ及び時期がネピアグラスの再生速度に及ぼす影響

概要

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ネピアグラスの再生に及ぼす刈り取りの時期と高さの影響を調査した。刈り取りは,殆どの分げつが節間伸長を開始する以前の6月23日(以下,第I時期),すべての分けつが節間伸長した8月10目(第II時期)及びその後の9月20日(第III時期)に行ない,刈り取り高さ0cm,15cm及び30cmで刈り取り,その後の20〜56日間の再生を調査した。得られた結果の概要は以下のとおりである。第I時期の再生は,主として,刈り取りを受けた分げつの再生長によるものであり,刈り取り高さが高いほど再生部の1茎重が大きく,全乾物増加速度は大きかった。第II,III時期の再生は新しい分げつの生長によって行なわれた。15？刈り区及び30cm刈り区では刈り株の地上部節と地下部節とから新分げつが生長し,30cm刈り区の方が地上部節からの新分げつが多く,地下部節からの新分げつは少なかった。しかし,新分げつの総数,平均1茎重及び再生部の全乾物重増加速度に特定傾向の区間差はなかった。低刈り区ほど刈り株の稗の全糖含有率は高い傾向があったが,全糖含有率と再生部の全乾物重増加速度との間には特定の関係はみられず,全糖含有率は再生に対する大きな制限要因とはならない範囲であったと推察された。以上のように,本実験の再生期間の範囲では,茎の節間が伸長していない時期には,刈り取り高さが高い方が再生に明らかに有利であったが,節間が伸長した時期の刈り取りでは,刈り取り高さによる再生の相違は殆どなかった。
日本作物学会の論文
1992-12-21

刈り取りの高さ及び時期がネピアグラスの再生速度に及ぼす影響

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