気温低下にともなうパンゴラグラスの光合成の変化について

概要

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パンゴラグラスについて,秋の気温低下にともなう生育の変化の一端を,光合成の面から調べる目的で,6月16日および10月5日に苗を植え付け、自然条件下で栽培した材料につき,植付当年の夏から翌年の春にかけて,群落光合成および葉面積の変化などを調べた。得られた結果の概要はつぎのとうりである。1.秋の気温の低下にともない,単位葉面積当り光合成能力(P_0)は低下し,午前の光合成が次第に強く抑制される。葉面積(L)はP_0よりややおそくから低下する。2. 6月植区は10月植区にくらベ,P_0は低く,Lの増加の停滞および群落光合成能力の低下が早くから始まるが午前の光合成の抑制は弱い。6月植区は翌春の再生時には,前年の秋の気温が同程度の時期にくらべ,P_0は低いが,午前の光合成の抑制はみられない。3. 6月植区と10月植区との間の秋の気温低下に対する順応の相違が,光合成の変化の相違としてあらわれ,このことは,6月植区が越冬し10月植区が越冬しなかったことと関連していると推察される。
日本作物学会の論文
1977-10-10