ネピアグラスの乾物生産に関する研究 : 第3報 東京及び宮崎における葉位別の個葉の面積及び光-光合成関係
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概要
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ネピアグラス(Napiergrass, Pennisetum purpureum Schumach, 品種メルケロン)を東京及び宮崎にて比較的多肥の条件下で栽培し, 主として夏期における茎の生長に伴う生葉数の変化, 葉位による個葉の面積及び光-光合成関係の変化を調べた. 5月の植え付け期から11月に至るまで, 両地域とも展開葉数及び枯死葉数は増加を続け, 展開葉数は31〜32, 枯死葉数は約20枚に達する. 7月上旬から9月上旬にかけての両葉数の増加は東京の方が急であるが, その後の枯死葉数の増加は宮崎の方が急である. 7月上旬以前に展開する葉の面積は東京の方がかなり小さいが, その後の葉位の進みに伴う面積の増大は東京の方が大きい. 両地域とも, 8月下旬に第23葉位前後に達し, その葉位の葉が最大葉となるが, その面積は東京で約370 cm^2,宮崎で約300 cm^2である. その後の葉位の進みに伴う面積の減少は東京の方が大きい. その結果, 7月上旬から8月下旬にかけての葉面積指数及び葉面積密度の増大は東京の方が急激であるが, 両地域の葉面積密度は他のC_4-型牧草の値に比べて低い. このような葉数及び葉面積に関する地域差は, 気温の季節的変化の地域差にほぼ対応し, また, 既報の乾物生産の季節的変化に関する地域差の主要な要因と推察される. 他方, 光合成特性は両地域に大差なく, 光-光合成曲線は C_4-型牧草に一般の型であり, 能力は最上位展開葉前後の葉が最も高く, 約90mgCO_2/dm^2/hrを示す. 下位の葉ほど能力は低く, 光-光合成曲線は光飽和型の傾向を強めるが, 生葉の最下位3葉を除くと能力の低下は比較的緩やかである.
- 日本作物学会の論文
- 1988-09-05
著者
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