西南暖地におけるローズグラスの季節生産性および越冬性の品種間差ならびに地域間差

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本研究は, 西南暖地におけるローズグラスの季節生産性を1地点において, 越冬性の品種間差を3地点で調査し, 多年利用の可能性と越冬性の地域間差について解析を行うことを目的として実施した。供試品種は, アサツユ, カタンボラおよびハツナツであり, 長崎県有明町(長崎県畜産試験場)において季節生産性の調査を2カ年, 収量性のみの調査を1カ年行い, 同時に越冬性の調査を3カ年行った。また, 五島列島福江島と宮崎県宮崎市において, アサツユおよびカタンボラの越冬性の調査を各々2カ年行った。夏季の低日射量時における乾物収量は, アサツユではカタンボラよりも高く, これはアサツユがカタンボラよりも直立型の草型であることと関係していると考えられた。1999年および2000年ともに越冬前の最終刈取り時の乾物収量は, アサツユが他品種よりも高くなる傾向にあり, アサツユの低温伸長性が高いことが示された。越冬性は, 3地点ともにアサツユがカタンボラよりも高くなった。これは有明町の調査で, アサツユが越冬直前に刈株の乾物重が高かったこと, および越冬期間中の地下部の茎の非構造性炭水化物含有率が高かったことと関係していると考えられた。五島列島福江島における実証栽培では, 越冬後の再生1番草の乾物収量および越冬性が, アサツユではカタンボラよりもともに高く, 播種後3年目までの永続性が実証された。アサツユは, 西南暖地の年数回程度の軽い降霜地帯において多年利用に最も適した品種であり, 越冬期間における積算氷点下温度が-12℃程度であれば十分越冬できることが示唆された。
2005-04-15

西南暖地におけるローズグラスの季節生産性および越冬性の品種間差ならびに地域間差

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