九州の造成初年目および二年目の矯性型ネピアグラス草地における肉用繁殖雌牛の放牧特性
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概要
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矯性型ネピアグラス草地の輪換放牧特性を検討するため,晩期出穂型の矯性型ネピアグラス品種(DL)の発根した分げつ苗を移植して造成した5aの草地で,造成初年目および2年目の2001年および2002年に,3頭の肉用繁殖雌牛による放牧利用を行なった。輪換放牧回数は2001年では4回,2002年では5回であり,いずれも草量に応じて約1週間放牧した後,2001年では約3週間,2002年では約1ケ月休牧した。茎数は両年ともに最終回の放牧時まで増加し,乾物現存量は,両年ともに第4回目の放牧時まで増加したが,草高,平均一茎重および葉身重比率は放牧を重ねるごとに減少する傾向であった。放牧前の茎数と次回の茎数増加比を畦ごとに比較すると,両年ともに,放牧に伴い茎数が増加し茎数増加比が低下したため,両者の間に負の相関関係が成立ち,茎数は初回および2回目の放牧後に大きく増加することが示された。属別刈取り法により放牧前の葉身比率(PLB)を検討したところ,両年ともに,草冠の頂部から2層では,PLBはほぼ100%,3属目の1年目および2年目では約95%および80%であり,葉身被食率は上位の2層では100%,3層目ではほほ100%であった。家畜による被食量(HC)は放牧を重ねるごとに,3ないし4回目の放牧時まで増加し,最終回の放牧では低温による再生速度の低下により減少した。家畜当たりの乾物摂取量(DMI)は,1年目では4.3〜10.8kg DM/頭/日,2年目では6.7〜11.4 kg DM/頭/日(15.5〜28.6g DM/kgLW/日)の範囲であった。日中のDLの採食時間比率は放牧開始日では約60%であり,最終日ではこの比率が増加する傾向であった。造成後2年目の2回目から4回目までの放牧期間においてDMIが約20g DM/kg LW/日以上であれば,濃厚飼料の供給なしに,家畜生体重がほぼ維持されることが示された。
- 日本草地学会の論文
- 2004-06-15
著者
-
石井 康之
宮崎大学農学部
-
園田 立信
宮崎大学農学部
-
堀井 洋一郎
宮崎大学農学部
-
石井 康之
長崎県畜産試験場:宮崎大学農学部草地環境科学講座
-
堀井 洋一郎
宮崎大農
-
堀井 洋一郎
宮崎大学農学部家畜内科学教室
-
堀井 洋一郎
長大医医動物
-
堀井 洋一郎
宮崎大学 農学部
-
井戸田 幸子
宮崎大学農学部
-
ムハマド ムクタル
宮崎大学農学部
-
井戸田 幸子
宮崎大農
-
井戸田 幸子
北里大学獣医畜産
-
井戸田 幸子
宮崎大学農学部草地環境科学講座
-
ムクタル ムハマド
宮崎大農
-
石井 康之
宮崎大 農
-
Mukhtar M
Univ. Miyazaki
-
Horii Yoichiro
Laboratory Of Veterinary Internal Medicine Department Of Veterinary Science Faculty Of Agriculture M
-
堀井 洋一郎
宮崎大 農
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