バヒアグラス草地造成時における前駆牧草としての寒地型牧草導入の効果

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バヒアグラス草地造成時における前駆牧草としての寒地型牧草の導入が,バヒアグラスの生長と牧草生産に及ぼす影響を検討した。試験地は宮崎県の標高約400mに位置する,傾斜約25〜30度の南北斜面である。1979年9月11日に,ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.),トールフェスク(Festuca arundinacea Schreb),ケンタッキーブルーグラス(Poa pratensis L.),レッドトップ(Agristis alba L.)およびシロクローバ(Trifolium repens L.)を前駆牧草として混播し,1980年5月21日にバヒアグラスを追播した区(寒地型導入区)と,同日にバヒアグラスを単播した区(バヒア単播区)を比較した。実験の結果は次のとおりである。1)北向斜面では,バヒアグラスの越冬が不良で,播種2年目以後のバヒアグラスの収量は,寒地型導入区およびバヒア単播区のいずれにおいてもほとんど認められなかった。2)対照的に南向斜面では,両処理区ともに,年次の経過に伴ってバヒアグラスが優占した。寒地型導入区はバヒア単播区に比べて,播種2年目および3年目におけるバヒアグラスの生長が良好であった。寒地型導入区は春の雑草量が少なく,春〜初夏において,バヒアグラスに対する雑草による被圧が緩和される傾向が認められた。また,寒地型導入区は牧草生産期間が長く,牧草生産量も有意に高かった。
日本草地学会の論文
1985-02-25

バヒアグラス草地造成時における前駆牧草としての寒地型牧草導入の効果

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