水飲み場の移動が林内放牧牛の行動圏に及ぼす影響
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概要
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林内放牧の適切な管理を行うための手法として,水飲み場の位置の移動が放牧牛の行動圏に及ぼす影響について検討した.放牧牛にGPS首輪を装着し2003年4月26日から7月13日まで,15分間隔で移動履歴を収集した.また,放牧期間の途中(2003年5月27日)に水飲み場を移動した.得られたGPS測位記録を用いて固定カーネル法により放牧牛の行動圏の推定を行った.さらに,放牧開始前,水飲み場の移動時,および放牧終了時に,放牧地(1.4ha)内に設定した61ヵ所で植生調査を行い,各地点でのススキの現存量と,放牧牛の滞在頻度との関係を検討した.放牧牛の夜間(18 : 00〜6 : 00)の行動圏の面積はいずれの時期においても昼間(6 : 00〜18 : 00)に比べ有意に狭く(P<0.01),放牧開始時の行動圏の面積は他の時期に比べ有意に狭い(P<0.05)ものであった.水飲み場を移動することにより,行動圏も移動することがうかがえた.これらの結果から,本研究の調査地のように放牧面積が狭く,雨量の多い林内放牧地であっても水飲み場の移動が放牧牛の誘導に有効であることが明らかとなった.
- 2005-02-25
著者
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