メタン発酵消化液のブロッコリー栽培における施用効果について
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概要
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Bio-gas plant is expected for resource recycling. We try to know the effect of digested slurry of manure from bio-gas plant on the cultivation of broccolies. At the seedling stage, treatment of digested slurry application is better than treatment of chemical fertilizer. But three times application of digested slully decreased the growth. At the cultivation stage on the field, there is few effect of digested slurry on yield compare to chemical fertilizer at the treatment of standard level application. But there is negative effect at the treatment of three times application of digested slurry. There are no differences of contents of nitrate content or ascorbic of treatments of digested slurry compare to chemical fertilizer. The digested slurry of manure is useful fertilizer on cultivation of broccolies at the treatment of standard level application.バイオガスプラントは資源循環の観点から期待されているが, メタン発酵後に出る消化液の有効利用法の確立が求められている. 本研究では, ブロッコリー栽培に消化液を使う利点と問題点を明らかにすることを目的とした. 処理区は慣行化成肥料区, 窒素が慣行の半分量の消化液を使った消化液半分区, 消化液同量区, 消化液3倍区, またそれぞれの消化液区にリン酸 (溶燐) を加えた消化液半分P区, 消化液同量P区, 消化液3倍P区とし, 育苗と圃場栽培でのブロッコリーの生育におよぼす消化液施用の影響を調査した. 育苗での生育については, 窒素量が慣行と半分か同量相当の消化液を施用した場合は慣行と同等以上であった. しかし消化液を慣行の3倍量相当を施用した場合は過剰障害が生じた. この過剰障害はリン酸を加えて肥料バランスを調整しても改善されなかった. 定植後の圃場での生育について, 窒素量が慣行と半分か同量相当の消化液を施用した場合は慣行と同等以上であった. しかし消化液を慣行の3倍量相当を施用した場合は, 収穫までの日数が遅延し収穫数が減少する過剰障害が生じた. 以上より, ブロッコリー栽培において窒素が慣行区の半分か同量の消化液を使った場合, 化成肥料と同等以上の施用効果が得られることが分かった.
- 2009-01-30
著者
-
西脇 亜也
宮崎大学農学部
-
杉本 安寛
宮崎大学農学部
-
宇田津 康弘
宮崎大学農学部附属農場
-
村中 智恵子
宮崎大学農学部地域農業システム学科
-
宇田津 康弘
宮崎大学農学部附属自然共生フィールド科学教育研究センター
-
西脇 亜也
宮崎大学農学部附属自然共生フィールド科学教育研究センター
-
西脇 亜也
宮崎大 農
-
杉本 安寛
宮崎大 農
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