野外採取植物根からのアーバスキュラー菌根菌18SrRNA遺伝子のnested PCR増幅
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
植物との共生菌であるアーバスキュラー菌根菌のDNAを野外採取した根から検出するため, 既存のプライマーを用いてnested PCRを試みた。また, これまで実験室で栽培された植物や胞子からのアーバスキュラー菌根菌DNAの検出に用いられてきたdirect PCRも同時に試みた。Nested PCRの第一回目の反応ではユニバーサルプライマーであるSS38-NS21を用い, 続く反応ではGlomales特異的プライマーVANS1と分類群特異的プライマーVAGLO, VAACAUまたはVAGIGAを組み合わせてPCRを行った。その結果, 草地植物4種からnested PCRにより増幅産物を得ることが可能であった。一方で, direct PCR (VANS1-VAGLO, VANS1-VAACAU, VANS1-VAGIGA) では増幅産物の検出が困難であった。また, nested PCRで得られた増幅産物の塩基配列を決定したところ, VANS1-VAGLO断片とVANS1-VAACAU断片の配列は期待されたようにデータベース上のそれぞれGlomaceae科およびAcaulosporaceae科の配列と最も高い相同性を示した。しかし, ほとんどのVANS1-VAGIGA断片はGigasporaceae科と最も高い相同性を示すわけではなかった。Nested PCRそれ自体は野外から採取した低量の菌DNAを増幅するのに効果的かつ省力的であったが, 今回使用した特異的プライマーを野外でのアーバスキュラー菌根菌検出に用いるのには限界があると思われた。
- 日本草地学会の論文
- 2001-04-15
著者
-
菅原 和夫
東北大学大学院農学研究科環境修復生態学・陸圏修復生態学
-
西脇 亜也
宮崎大学農学部
-
斎藤 勝晴
科学技術振興機構crest:東京大学大学院理学系研究科
-
斎藤 勝晴
東北大学大学院農学研究科陸圏修復生態学
-
菅原 和夫
東北大学大学院農学研究科
関連論文
- 中国青海省チベット高原におけるヤク(Bos grunniens)の行動が野草放牧地物質循環に及ぼす影響(アジアの草原研究)
- アジアの草原研究 : はじめに(アジアの草原研究)
- 放牧牛の排糞による植物の種子散布 : 単子葉草本3種の種子発芽能および放牧牛による種子摂取の経時変化
- メタン発酵消化液のブロッコリー栽培における施用効果について
- ススキ(Miscanthus sinensis Anderss.)の種子生産に及ぼす放牧の影響
- 放牧草地における植物現存量の空間的不均一性と可食草量の関係
- 雑草モノグラフ 5.チガヤ(Imperata cylindrica(L.) Beauv.)
- シロクローバ(Trifolium repens L.)とアーバスキュラー菌根菌の共生関係およびその群集構造に及ぼすリン酸施肥の影響
- 放牧利用オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)のアーバスキュラー菌根形成に及ぼす表面施肥の影響
- 1-19 ススキ草地植物におけるアーバスキュラー菌根菌感染率の季節変化
- 野草および牧草放牧地における共通出現植物のアーバスキュラー菌根菌感染率と根圏土壌胞子数
- 野外採取植物根からのアーバスキュラー菌根菌18SrRNA遺伝子のnested PCR増幅
- 野草地から採取したススキのアーバスキュラー菌根からのDNA抽出
- 中国青海省チベット高原におけるヤク (Bos grunniens) の行動が野草放牧地物質循環に及ぼす影響
- 有機農業経営に対する経営者の意識の日中比較
- アジアの草原研究 : はじめに
- 放牧利用人工草地におけるハルガヤ(Anthoxanthum odoratum L.)とミノボロスゲ(Carex albata Boott)の生育環境
- 開花時期の異なるチガヤ(Imperata cylindrica (L.) Beauv.)2タイプの遺伝的差異
- 宮崎大学構内における開花時期の異なるチガヤ (Imperata cylindrica (L) BEAUV.) 2タイプの分布
- チガヤ(Imperata cylindrica (L.) BEAUV.)における開花時期の異なるタイプ間の種子発芽特性の違い
- クローナル植物の集団内における個体差(クローナル植物の適応戦略)
- 53 日本列島のチガヤにおける遺伝的多様性の地理的変異
- 日本列島のチガヤにおけるアロザイム変異
- 開花時期の異なるチガヤ(Imperata cylindrica (L.) BEAUV.)2タイプ間の形態的差異
- 36 アロザイムと葉緑体DNAを用いたチガヤ2種間の雑種形成実態の解明(1-(1)分類、分布、群落、遷移)(1. 雑草)
- 1-26 チガヤクローン間の競合実験結果に及ぼす刈り取り頻度の影響
- 1-28 チガヤ 2 種間の人工交配実験と自然集団における雑種形成率の測定
- 1-27 日本列島におけるチガヤ 2 分類群間の生育立地の違い
- 16 開花期の違いによって交配隔離されたチガヤ2集団の生育立地の違い
- 日本の草原動態研究の現状と課題 (特集 生態系・生物多様性モニタリングの統合に向けて) -- (農地・草原・里山)
- 中国における有機農業の取り組み--浙江省長興県の4つの企業を中心に (有機農業と国際協力) -- (有機農業を研究する)
- ミノボロスゲ優占草地の更新における除草剤とディスクハローの効果(I.研究報告)
- ハルガヤ優占草地の更新における除草剤とディスクハローの効果(I.研究報告)
- 日本の飼料自給戦略に関する生態学的考察(下) (飼料自給戦略の研究(3)) -- (飼料自給率向上への将来ビジョンと戦略的グランドデザインの提案)
- 日本の飼料自給戦略に関する生態学的考察 (新年特集号 飼料自給戦略の研究) -- (飼料自給率向上への将来ビジョンと戦略的グランドデザインの提案)
- 農業の復興とともに草原を再生する (特集 森の国の草原--「豊かな自然に覆われた日本列島」のイメージを覆す景観がここに)
- 野草地放牧における黒毛和種牛の採食行動とルーメン内性状
- 数値地図50mメッシュ(標高)を用いた地形解析に基づく林畜複合生産システムの適地選定手法--宮崎県諸塚村を事例として
- 放牧地の侵入低木であるタニウツギ(Weigela hortensis K. Koch)の種子発芽特性
- 野草種子の採取方法の検討 : 改造型エンジン・ブロワーによる採種効率
- 次期大会開催地からのお知らせとエクスカーション案内 宮崎県の植生案内--植生学会宮崎大会に向けて
- 人工草地におけるミノボロスゲ(Carex albata Boott)の種子生産
- 3-28 P-13 御崎馬の生息地における草地生産力の年次変動
- 3-4 林内放牧地における下草現存量の年次変化
- 都井岬半野生馬の24時間行動と乾物摂取量の季節変化(2003年度春季研究発表会)
- 3-18 林内放牧地での放牧が植物地上部現存量と裸地率および種数密度に及ぼす影響
- 放牧牛によるミノボロスゲ種子の散布
- 草地における埋土種子集団 : 人工草地への侵入種, ミノボロスゲ(Carex albata Boott)の永続的埋土種子集団の実態
- 野草と野草地の再評価 : 論評 (野草と野草地の再評価)
- 野草と野草地の再評価 : 緒言
- ブナ天然林におけるギャップ周辺の光環境とチマキザサの分布
- 奥羽山系放牧共用林野における可食部現存量および栄養価の分布
- 黒毛和種繁殖牛における母性行動の個体変異と子牛の発育への影響
- 養豚農家の家畜福祉に関する意識調査
- 耕作地におけるニホンカモシカ (Capricornis crispus) の摂食行動
- 日本各地の草地におけるアーバスキュラー菌根菌相
- 条件刺激としての音による六角牧区から大尺窪地への牛群誘導
- 3-10 ミヤコザサ草地における放牧牛の採食植物と可食植物の葉量の推移
- 放牧地で形成される裸地がミノボロスゲ(Carex albata Boott)種子の休眠解除に及ぼす影響
- ミノボロスゲ(Carex albata Boott)種子の休眠解除機構
- 子牛のヒトに対する模擬闘争行動の罰訓練による制御
- 馴致処理期間中の子牛によるヒトに対する模擬闘争行動の発達および行動的・生理的特徴との関係
- 馴致処理期間中の子牛によるヒトに対する模擬闘争行動の発達および行動的・生理的特徴との関係
- マネキンに対して模擬闘争行動を発生する子牛の行動的・生理的特徴
- イネ科野草における葉部の垂直分布と放牧牛による捕捉高
- 牧草地-野草地輪換放牧下における牛の排糞による植物の種子散布
- 野草地における放牧牛の養分摂取速度
- ワラビ優占牧草地の植生回復技術の開発 : ワラビの刈り払い,土壌中和および播種時期がペレニアルライグラスの発芽定着に及ぼす効果
- 放牧地を想定した施肥・刈取り・土壌鎮圧がオーチャードグラス (Dactylis glomerata L.) のアーバスキュラー菌根形成および生育・養分吸収に与える影響
- 野草地植物の可食部の空間分布と放牧家畜による選択
- 人工草地および野草地における植物型の特徴および放牧牛による選択性(投稿論文, 研究報告)
- 329 スギの発育型に関する研究(S)(第77回日本林学会大会講演要旨)
- ヒト用携帯型心拍計によるウシの心拍数モニターと電極誘導部位
- 人工放牧草地における植物種の地上部現存量へのガンマ分布の利用
- 人工草地における植物個体群の出現頻度へのべータ二項分布の利用.
- 人工草地におけるそれぞれの植物種の地上部現存量の空間的不均一性
- 放牧草地における植物群集の空間的不均一性に関する一考察
- 牧草含有水が放牧家畜の粗飼料利用性に及ぼす影響 : 1.放牧を想定した草生状態での草利用性の推定
- 放牧地の草種構成と種多様性に及ぼす異なる放牧管理の影響 : 北上山系に同時に入植した酪農家2戸の放牧地の植生
- 生草および乾草給与時の緬羊の採食利用性と水出納
- 水分含量の異なる生草の緬羊による採食利用性の比較
- 放牧管理下の乳牛の水出納
- シリコン存在下で可視光照射によるアルカリ前処理した草本系および木質系リグノセルロースからの糖収率の改善
- 韓国における牛肉の消費者意向および購買行動に関するアンケート調査
- イネ科26属42種における茎片からのクローン形成特性
- 南九州における矮性ネピアグラスの栽植密度と刈取り頻度が追播イタリアンライグラス体系との永続的なバイオマス生産のための乾物収量, 品質および越冬性に及ぼす影響
- シリコン存在下で可視光照射によるアルカリ前処理した草本系および木質系リグノセルロースからの糖収率の改善
- 中国における契約農家の経営実態と課題
- 韓国における牛肉の消費者意向および購買行動に関するアンケート調査
- ネピアグラス(Pennisetum purpureum Schumach)のカドミウム集積能力の推定およびカドミウム汚染土壌の浄化に向けた乾燥技術の開発
- 1-34 阿蘇ススキ半自然草地における炭素蓄積速度の定量的評価(1.物質循環・動態)
- 口蹄疫発生後の処理に関する課題について : 宮崎県(2010年)と英国(2001年)との比較
- 畜産地帯における集落営農による飼料作の現状と課題
- チマキザサの現存量および成長特性のギャップから林内にかけての変化
- ネピアグラスの構造性炭水化物組成に及ぼす立毛貯蔵の影響
- 口蹄疫防疫措置の終了した発生農場に留置された家畜排泄物の状態(2010年口蹄疫-残された課題を中心に-)
- 口蹄疫家畜埋却地における環境修復能力の高い飼料作物利用の可能性(2010年口蹄疫-残された課題を中心に-)
- はじめに(草地生態系のオーバーユースとアンダーユース)
- 堆肥の品質評価を目的としたコマツナ発芽試験法の特徴 : シャーレ法とシードパック法の比較
- 口蹄疫家畜埋却地における環境修復能力の高い飼料作物利用の可能性