ミノボロスゲ優占草地の更新における除草剤とディスクハローの効果(I.研究報告)
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概要
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ミノボロスゲ(Carex albata Boott)が優占する放牧利用人工草地の植生改良を目的として,簡易更新法の検討を行った。ミノボロスゲ優占草地に次の4つの処理区をつくり,植生調査を行った;(1)除草剤のみ処理区,(2)除草剤+ディスクハロー処理区,(3)ディスクハローのみ処理区,(4)無処理区。使用した除草剤はグリホサート剤で,播種した牧草はペレニアルライグラスとオーチャードグラスであった。草地更新は1996年9月末に行い,植生調査は更新前の8月と更新後の12月,翌年の6,7,8および10月の計6回行った。除草剤のみ処理区では処理後ミノボロスゲの株は枯死した。牧草の被度は播種後78日目には8%と低かったが,1年後には被度が55%と全処理区の中で最も高くなった。除草剤+ディスクハロー処理区でも除草剤のみ処理区と同様に処理後ミノボロスゲの株は枯死した。牧草の被度は播種後78日目には26%,1年後には48%になった。ディスクハローのみ処理区では,処理後ミノボロスゲの被度は減少したが株が断片化して一部生存した。牧草の被度は播種後78日目には38%と高かった。また,更新1年後には牧草被度は41%となった。更新を行った全区でミノボロスゲ,エゾノギシギシおよびハルガヤ実生の発芽定着がみられ,一定の被度を持った。これらの結果から以下のことが考察された;(1)ミノボロスゲが優占する草地の更新には除草剤(グリホサート剤)の投与により株を枯死させることが有効である。(2)除草剤のみによる草地更新は,播種当年の牧草の定着率は低いが,時間の経過により牧草は十分生育しその被度は増加する。(3)ディスクハロー処理は牧草の初期定着率を高めるが,ディスクハローのみでは前植生は完全に枯死せず株の再生が起こる。(4)更新時における前植生の撹乱によりミノボロスゲ,エゾノギシギシおよびハルガヤ実生の発芽定着が増加することから,更新後はこれらへの対策が必要となる。
- 東北大学の論文
著者
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西脇 亜也
宮崎大学農学部
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渡辺 也恭
北海道農業研究センター
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渡辺 也恭
姫路工業大学自然環境科学研究所
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渡辺 也恭
(現)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター
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佐々木 友紀
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター
-
狩野 広
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター
-
小田島 守
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター
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八嶋 康広
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター
-
西脇 亜也
(現)宮崎大学農学部附属自然共生フィールド科学教育研究センター
-
狩野 広
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド科学教育研究センター
-
八嶋 康広
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド科学教育研究センター
-
小田島 守
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド科学教育研究センター
-
WATANABE Nariyasu
National Agricultural Research Center for Hokkaido Region
-
西脇 亜也
宮崎大学農学部附属自然共生フィールド科学教育研究センター
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