開花時期の異なるチガヤ(Imperata cylindrica (L.) BEAUV.)2タイプ間の形態的差異
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概要
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日本のチガヤは, 開花の節に毛が有るフシゲチガヤと開花稈の節に毛が細いカワラチガヤ(ケナシチガヤ)に分類されていたが,現在では,開花稈の節毛の有軸は分類学的に重要な形質とは見なされていないため,チガヤ1種として認識されている。宮崎平野で見出された,開花時期によって分けた2タイプのチガヤ(E型,C型)について,外部形態の差異が存在するか否かを検討した。その結果,開花時期の早い31クローンには全て開花群の節毛が撫く,開花時期の遅い35クローンには全て節毛が存在しており,開花時期の異なる2タイプ(E型,C型)が存在することか明らかであった。また,E型の葉鞘上には白粉が有るが,C型の葉鞘上には白粉が無かった。葉緑のトゲの良さにおける頻度分布はタイプごとに異なるピークを示し,E型は0〜80μmで多く,C型は240〜400μmで多かった。トゲの大きさは,クローン内及びクローン間差を考慮しても,タイプ間で明らかな差が認められた。これらの結果から,チガヤには形態的に異なる2分類群が存在することが明らかである。松村らのE型や冨永の寒冷地型,宮崎平野のE型は,牧野やHONDAが認識したケナシチガヤもしくはカワラチガヤに対応するものであると考えられる。
- 日本草地学会の論文
- 2003-10-15
著者
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