芋製焼酎粕施用農耕地における硝酸態窒素濃度の経時的変化 : 第I報. 現地調査

元データ 2004-03-30

概要

本研究では芋製焼酎粕の農耕地還元による窒素負荷の実体を調査するために,宮崎県都城盆地に6ケ所の調査地点を設けて,現地調査を行った.焼酎粕を特殊肥料として販売している酒造会社への聞き取り調査の結果,焼酎粕は80-100t/haの割合で農地還元されていた.また,焼酎粕を特殊肥料として利用している農家へのアンケート調査の結果,今後も利用したいと回答した農家が大部分を占め,非常に高い要望があった,芋製焼酎粕は9-12月に生じ,焼酎粕の農地還元もこの時期に集中して行われていた.粕散布後,およそ二週間で糸状菌の発生が認められ,糸状菌の発生を認めてから耕転を行い,さらに1-2週間後に播種を行っていた.焼酎粕の組成は水分93.7%,窒素0.21%,リン0.03%,カリウム0.18%で,C/N比は14.7,液体部分で11.5であった.焼酎粕を宮崎県の規制量である10kg/m^2(10t/10a)施用した場合,約20g/m^2(20kg/10a)の窒素施用量になり,硝酸態窒素濃度は焼酎粕のみを施用している地点で年間を通じて,乾土1kg当たり100mg以下で硝酸態窒素の顕著な増加は認められなかった.焼酎粕と家畜糞尿を施用している2ケ所の調査地点で硝酸態窒素濃度の急激な上昇が認められた.多い地点では乾土1kgあたり500mgもの硝酸態窒素が検出された.以上の結果,芋製焼酎粕10kg/m^2(10t/10a)の施用では硝酸態窒素の集積や下層への流亡は少なく,地下水汚染の危険性は少ないと判断され,アンケート結果や利便性,物質循環,処理のためのエネルギーを必要としないことから農地還元による焼酎粕の処理の有用性が示された.しかしながら,家畜糞尿との併用にあっては厳密な施用基準の策定が望まれる.

著者

佐伯 雄一 宮崎大農
長友 由隆 宮崎大農
赤尾 勝一郎 宮崎大学農学部応用生物科学科生物機能科学講座
赤尾 勝一郎 宮崎大学農学部
佐伯 雄一 宮崎大学農学部
杉本 安寛 宮崎大学農学部
長友 由隆 宮崎大学農学部生物機能科学講座
長友 由隆 宮崎大 農
杉本 安寛 宮崎大学農学部地域農林システム学講座
三重野 愛 宮崎大学農学部生物機能科学講座
下入佐 克志 宮崎大学農学部生物機能科学講座
長友 由隆 宮崎大学農学部
佐伯 雄一 宮崎大学農

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