^15N同位体希釈法によるサトウキビの固定窒素量の推定

元データ 2005-03-23 宮崎大学

概要

沖縄県やその周辺諸島では地下水の硝酸態窒素汚染が深刻な問題となっており,沖縄での基幹作物であるサトウキビ畑からの流出窒素の低減が求められている.そこでサトウキビに内生する窒素固定細菌を活用した施肥窒素の低減が期待されでおり,本試験では硝酸態窒素濃度が与える植物体の生育や窒素固定活性への影響を調査した.試験には特性の異なる三品種(Ni15,F172,NiF8)を供し,茎内の窒素固定細菌数を計測すると共に,幼植物を重窒素標識したKNO_30.5mMを加えたMS無窒素培養液を用い,窒素供給の継続・停止区に分け水耕栽培を行った.その結果として,窒素固定寄与率は窒素供給停止により全ての品種で向上が認められたが,乾物重では窒素継続区に比較して減少しており植物本来の窒素要求量には満たなかったと考えられた.しかし,窒素停止処理区のNi15は窒素継続区のNiF8と乾物重において同等の生育を示した.Ni15は早期高糖性品種であり窒素固定細菌の増殖に有利な特性を有し,また本試験では全体に占める根の乾物割合が他品種と比較して高いという特徴が認められ,土壌窒素の高い吸収量が示唆された.これらのことから低窒素の同一環:境下においてNi15は窒素固定寄与率が高く,同時に土壌窒素の吸収量も高いと考えられ,緩効性肥料を用いた施肥形態との適合性が高く,硝酸態窒素汚染問題の解決のための有用な品種である可能性が示唆された.

著者

佐伯 雄一 宮崎大農
赤尾 勝一郎 宮崎大学農学部応用生物科学科生物機能科学講座
赤尾 勝一郎 宮崎大学農学部
佐伯 雄一 宮崎大学農学部
大田 守也 沖縄県農業試験場宮古支場
大田 守也 沖縄県農業研究センター
清水 友 宮崎大農
清水 友 宮崎大学農学部
Njoloma Joyce 宮崎大学農学部
西口 友広 宮崎大学農学部生物機能科学講座
佐伯 雄一 宮崎大学農

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