ワラビ優占牧草地の植生回復技術の開発 : ワラビの刈り払い,土壌中和および播種時期がペレニアルライグラスの発芽定着に及ぼす効果
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概要
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ワラビ優占草地の植生回復技術を開発するため,黒毛和種牛群に放牧利用されているワラビ優占放牧地内に,ワラビの刈り払いの有無,炭酸カルシウム施用による土壌中和の有無および牧草(ペレニアルライグラス)の播種時期(6月または8月)がその発芽定着に及ぼす効果について検討した。2004年5月に調査地を設け,11月9-10日にワラビの被度および草高,ペレニアルライグラスの個体数および草高を計測した。その結果,刈り払いによりワラビの被度および草高が有意に減少した(P<0.01)。発芽したペレニアルライグラスの個体数は,6月播種ではワラビの刈り払い有区(5.1本/2500cm^2)で,8月播種ではワラビの刈り払い無区(21.3本/2500cm^2)で他区にくらベ大きかった。また,炭酸カルシウム施用の効果は認められなかった。以上より,播種時期を8月とし,ワラビを刈り払わない方法が最も牧草実生の定着がよく,植生の回復法として有効であると考えられる。
- 東北大学の論文
- 2005-12-27
著者
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菅原 和夫
東北大学大学院農学研究科環境修復生態学・陸圏修復生態学
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菅原 和夫
東北大農
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菅原 和夫
東北大学大学院農学研究科
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宍戸 哲郎
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター
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小倉 振一郎
東北大学大学院農学研究科応用生命科学専攻
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小倉 振一郎
(現)宮崎大・農
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小倉 振一郎
東北大学大学院農学研究科
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