川渡フィールドセンター搾乳牛群の現状と課題 : 等間隔搾乳の実施が乳生産性に及ぼす効果の検討(投稿論文, 研究報告)
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概要
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川渡フィールドセンターでは乳生産性を向上させるため, 2002年9月から2004年6月まで等間隔搾乳を実施した。そこで, 等間隔搾乳の実施が乳量に及ぼす効果について検討した。1. 2000年9月から2004年1月までに搾乳された50個体のデータを用い, 年間総乳量に関する要素として1日1頭あたり乳量および搾乳日数を取り上げ, それらに影響を及ぼす要因を調べた。2. 搾乳日数はほとんどの場合で30-31日であったが, 乾乳期への移行や乳房炎の発生などにより搾乳日数が少ない場合もみられた。3. 重回帰分析の結果, 乳量は年, 月, 分娩後経過月数および産次で説明され (r^2=0.46), 搾乳間隔は要因として採用されなかった。4. 分娩後12ヶ月以上の牛では, ほとんどの場合で乳量が20kg/日/頭以下であった。全データ数に占める, 分娩後12ヶ月以上の割合は5.6-10.8%であった。搾牛群の平均分娩間隔は423日で, 540日を超えた例が5例あった。5. 当センターでは限られた職務時間でほとんどの生産業務を行うため, 不等間隔搾乳はやむを得ないが, 乳生産性の増加には繁殖成績の向上ならびに乳房炎の予防と早期発見に向けた取り組みが必要である。
- 東北大学の論文
- 2004-12-27
著者
-
佐藤 和也
東北大院農fsc
-
中井 裕
東北大学大学院農学研究科
-
佐藤 和也
東北大FSC
-
小倉 振一郎
東北大学大学院農学研究科応用生命科学専攻
-
中井 裕
複合生態フィールド教育研究センター
-
佐藤 和也
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター技術部ハイテク畜産研究科
-
佐藤 和也
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター技術部
-
千葉 純子
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター技術部
-
遊佐 健司
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター技術部
-
小倉 振一郎
東北大学大学院農学研究科
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