エピネフリンとインスリンの同時投与がメン羊の血糖値および血漿中NEFA濃度におよぼす影響
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概要
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反すう動物におけるインスリン耐性とエピネフリンとの関連性について正常メン羊および副腎摘出(以下ADXと略す.)メン羊を用いて検討を行なった.エピネフリンのみ投与した場合(実験I)およびエピネフリンとインスリンの同時投与を行なった場合(実験II)について,正常およびADXメン羊の血糖値と血漿中NEFA濃度(以下NEFAと略す.)の変化を調べた.実験Iにおいては,正常およびADXメン羊とも血糖値およびNEFAはエピネフリン投与直後から顕著に上昇した.実験IIにおいては,正常およびADXメン羊ともインスリン投与後,血糖値は低下したが,低下の割合はADXの方が大きく,低血糖症状が認められた,したがってその後の血糖値の回復は正常メン羊に比べ遅れたものの糖などの補給なしで低血糖症状から回復した.一方,NEFAの反応は実験Iに比べ小さなものであり,かつ反復間,個体間の変動が大きかった.以上の結果より,本研究で用いたエピネフリンの筋注投与ではインスリン投与による低血糖症状の発現を防ぐことはできなかったが,外部からの糖の補給なしで低血糖症状から回復したことにより,エピネフリンが部分的にインスリン耐性に関与していることが示唆される.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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