黒毛和種における増殖県の集団構造ならびにそれらと種牛供給県との間の血縁度
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概要
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種牛供給県から導入した遺伝子を増殖して成立した増殖県の集団構造について分析を行なった.さらに,それら増殖県と種牛供給県との間の平均血縁係数を推定した.1980年度における登録雌牛総数が500頭以上の増殖県20県を分析の対象とした.各県の1980年度における全登録雌牛集団から200頭を無作為抽出して得られた20個の標本集団を材料とした.得られた結果の概要は以下のとおりである.1. 多くの増殖県における父牛の多様性は,種牛供給県のそれよりも大きかった.2. 大分,宮崎および鹿児島県で生産された種雄牛は,少数ではあるが,他の増殖県でも供用されていることから,増殖県の中でこれらの3県が上部に位置する階層構造が形成されているものと考えられる.3. これら3県のFISおよび集団分化指数は,無作為交配あるいは系統間交配が行われていることを示していた.一方,階層構造の下部を構成している他の増殖県のFISおよび集団分化指数には,集団分化の傾向が認められた.4. 階層構造の下部を形成する県の多くは,1960,1970ならびに1980年度の兵庫県および1980年度の広島県との間に高い血縁関係を示した.これは,兵庫県産の特定の種雄牛の後代が1970年度以降に広島県とこれらの増殖県で頻繁に供用されたことによるものと考えられる.一方,階層構造の上部を形成する大分.宮崎および鹿児農県と種雄牛供給県との間の平均血縁係数には,上記のような特定の種雄牛の影響はほとんど認められなかった.また,これら3県と福島県は,鳥取県との間に比較的高い血縁を示した.このような種牛供給県と増殖県との間の平均血縁係数に認められた特有のパターンは,各県集団を数個の遺伝的グループに分類できることを示唆しているものと考えられる.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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