枝肉市場成績を用いた種雄牛評価に対する母方祖父の影響

概要

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枝肉市場での産肉成績を用いて種雄牛評価を行なおうとする場合,nonrandom matingによる評価の偏りが少なからず存在するものと考えられる.そこで,父牛ばかりでなく母方祖父をも含めたモデルによる評価を試み,従来の母方祖父を含まないモデルによる評価との比較検討を行なった.分析に用いたデータは,1974年から1979年にかけて鹿児島県内で枝肉市場に出荷された黒毛和種去勢肥育牛3,416頭の肥育成績である.分析対象形質は枝肉重量,DG,枝肉歩留および脂肪交雑であった.分析に用いたモデルは,父牛および母方祖父の変量効果のほかに,出荷年次,肥育素牛の産地および出荷時日齢といった母数効果を含んでいた,母方祖父を含むモデルと含まないモデルによる父牛の評価値の間の相関は0.965〜0.987とかなり高く,また,父牛68頭中における順位の変化の平均値は2.0〜2.6と小さく,nonrandom matingよる評価の偏りは予期したほど大きくはなかった,しかし,順位の変化の最大値は13〜15とかなり大きく,一部の父牛についてはかなりの偏りが存在することが示唆された.
社団法人日本畜産学会の論文