牧草地における尿窒素の動態に関する研究 : 2.バヒアグラス(Paspalum notatum Flugge)草地における^<15>N-尿素態窒素を指標とした牛尿窒素の動態

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概要

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バヒアグラス草地の土壌-植物系における尿窒素の動態を明らかにする目的で,重窒素を含む尿素態窒素を添加した牛尿を,1991年の6月4日,7月24日および10月14日に小プロット(直径20cm,深さ35cmの塩化ビニル製パイプを使用)に施用し,1年間にわたって^<15>Nを追跡した。1年経過後の^<15>Nのゆくえには,尿施用時期による大きな差は認められなかった。すなわち,各施用時期を通した1年経過後における^<15>N回収率は,牧草によるもの27.5-35.4%,土壌中で8.8-12.2%,リター(地上および地下リター)では1.3-1.6%と比較的狭い範囲にあった。また,施用^<15>Nの53.6-59.9%は土壌-植物系に回収されなかった。以上の結果から,本地域(南九州)のバヒアグラス放牧草地は,窒素循環に関して,排尿を通じて土壌に還元された窒素の50%以上が損失する開放的な系とみなされた。
日本草地学会の論文
1994-10-31

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