放牧草地での異なる季節における牛糞窒素の動態 : 2.脱窒と土壌表層の硝酸および水分含有量との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ペレニアルライグラス/シロクローバ混播草地で,湿潤および乾燥条件下における糞からの脱窒を測定した。処理区は対照区,新鮮牛糞を0.1m^2当たり2,4および6kg施用した合計4区とした。土壌表層の硝酸含有量と1日当たりの脱窒速度との間には有意な正の相関関係が認められた(湿潤条件下では, r=0.766, P<0.001 ; 乾燥条件下では, r=0.717, P<0.001)。また,土壌表層の水分含有率と脱窒速度との間にも有意な正の相関関係が示された(湿潤条件下では, r=0.477, P<0.01 ; 乾燥条件下では, r=0.509, P<0.01)。糞窒素の脱窒による損失率は, 湿潤条件下では0.81%から4.02%へ, 乾燥条件下では0.28%から0.75%へと,糞施用量の増大に伴って高まった。また,湿潤条件下の損失率は乾燥条件下に比べて3-5倍高い値を示した。なお,脱窒はアンモニア揮発による損失と比較すると,草地に排泄された糞パッチからの主要な窒素損失経路ではないと考えられた。
- 日本草地学会の論文
- 1992-07-30
著者
-
杉本 安寛
宮崎大学農学部
-
Ball P.roger
Dsir Grasslands
-
Theobald P.w
Dsir Grasslands
-
Theobald P.W.
DSIR Grasslands
関連論文
- メタン発酵消化液のブロッコリー栽培における施用効果について
- ブルーベリーのアントシアニン含量, 抗酸化活性および総ポリフェノール含量に及ぼす果実発達ステージの影響
- ブルーベリーとその在来野生種の果実における抗酸化活性の評価
- ブルーベリーのマイクロプロパゲーションにおける基本培地の再検討
- 水飲み場の移動が林内放牧牛の行動圏に及ぼす影響
- GPS測位記録を利用したスギ (Cryptomeria japonica D Don) 幼齢林内における放牧牛の行動
- RAPD-PCRを用いた林内放牧牛由来大腸菌汚染の新しい評価法の検討
- GPS測位記録からみたスギ幼齢林内での放牧牛の行動
- 3-19 スギ幼齢林地における放牧牛の行動
- 芋製焼酎粕施用農耕地における硝酸態窒素濃度の経時的変化 : 第I報. 現地調査