<短報>老人保健施設に入所している老人と家族の退所にあたっての見通し

概要

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老人保健施設に入所している老人とその家族の退所にあたっての見通しを明らかにすることを目的とし,T老人保健施設に入所している老人とその家族を対象に,施設の記録物からの基礎的情報収集と,半構成の面接を行った.対象の老人は29名(男性6名,女性23名)で,平均年齢は81.0歳であった.面接を行った家族の続柄は実子21名,長男の嫁6名,妻1名,その他2名であった.分析は,老人と家族が今後の予定について述べたデータのうち,退所にあたっての見通しを取り出し,老人と家族を一組にして分析を行った.その結果,a『施設の機能に適切な老人の見通しで,家族の見通しと一致』,b『施設の機能に適切な老人の見通しで家族の見通しと不一致』,c『施設の機能に不適切な老人の見通しで家族の見通しと一致』,d『老人の見通しが不明確で家族の見通しが明確』,e『老人の見通しが不明確で家族の見通しも不明確』の5つのタイプが分類された.以上の結果より,退所先を考えていくことができるためのアプローチの必要性と,老人保健施設入所中の老人と家族は,その背景と関係性の中で,退所にあたっての見通しを考えていることが明らかになった.
千葉大学の論文