<原著>看護学生の老人観に関する研究第一報

概要

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老人看護教育内容の充実と,教育方法の開発のための基礎資料を作る目的で,教育対象である看護学生が入学から卒業までの3年間に抱いた老人観の経時的変化について実態調査を行い,学生の老人観の発達に及ぼす様々な要因について分析を試みた。今回,第一報として学生が入学当初に考えた老人像及び老後観の実態について,学生の生活背景についてのアンケート調査と,文章完成法検査(以下SCTと略す)による老人観の把握をし,生活背景と老人観の関係について分析した。その結果,1) SCTに表現された学生の反応は,肯定的反応,中立的反応,否定的反応の3つの大カテゴリーに分類できた。2)学生の老人観は刺激語により様々であったが一般的老人像では中立的反応が多かった。3)若者との比較による老人像では,否定的反応が多かった。4)家族との関連における老人観では,肯定的反応が多かった。5)学生の老人観は,同居の有無と学習機会の有無とは関係がみられなかった。6)学生の老人観は,老人と話す機会の有無と関係がみられた。7)50〜64歳の若年層を老人と考えた学生の多くは否定的反応であり,学生の考える老人の年齢と老人観は関係がみられた。
千葉大学の論文