<短報>老人痴呆患者の問題行動に対処する方法

概要

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老人病院の看護婦たちはそれぞれの経験の中から痴呆患者の問題行動に対処する方法を見出し,日々のケアを実践している。問題行動としてとらえられる事象は複雑で,その原因も様々である.新人スタッフに対して,どのような問題行動にどのように対処するかを一つ一つ伝授することは不可能であり意味がない.むしろ,その方法をどのように見出すのか,そしてその方法を適用する時の基本原則を明らかにすることが必要と考えた.そこで,本研究では,看護婦4名の行った援助に関する報告を,老人痴呆患者の問題行動に対処する方法をいかに見出しているかという視点から分析した.その結果,老人痴呆患者の問題行動に対処する方法を見出した.すなわち,「看護者の問題の捉え方を見直す」「患者の感じている世界をイメージする」「患者の行動の意味を理解する」「患者の行動の意味にそった援助を行う」ことである.さらに,援助の際には,「その人のニードを探る試行錯誤をすること」「痴呆患者の人としての本質を信じ,見出すこと」「痴呆患者の自尊心を守ること」を行うことが必要であると考えられた.
千葉大学の論文