女子短大生における食生活の実態
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.平均栄養摂取量は,19歳女子普通労作の栄養所要量と比較すると,ビタミンC以外は不足の状態であり,特にカルシウムの不足が目立った。また摂取栄養量には個人差がかなりみられ所要量の±10%以内の者は,エネルギーにおいては36.8%,脂質においてはわずか21.1%であった。 2.朝食・昼食・夕食・間食における栄養摂取量の比率においては,間食の占める割合が比較的多い傾向にあり,これは女子短大生の特徴といえる。 3.栄養比率については,エネルギーの栄養素別摂取構成比は,たんぱく質14.8%,脂質26.9%,糖質58.3%であり,厚生省の示している適正比率目標にほぼ一致していた。また動物性たんぱく質比は50%,糖質エネルギー比は45.6%脂質エネルギーは27.2%であり,これらの比率も適当であると思われる。しかし個人的には問題のある者もかなりみられた。 4.食品群別摂取量については,高居ら^7)の示す食糧構成案と比較すると,パン類・めん類・いも類・菓子・獣鳥肉類・卵類においては充足されているが,他の食品群は不足し,特に米類・砂糖・みその不足が目立った。 5.主食の種類は,その頻度において全体として米飯を主体とする傾向にあるが,朝食ではパンが,昼食では麺類が比較的多く摂られていた。 6.外食の状況は,その頻度においては,昼食・夕食・朝食の順であり,その主食の種類は,全体では米飯・パン・麺類がはぼ同数であったが朝食ではパンが,夕食では米飯が多かった。 7.欠食状況は,朝食では34.2%,昼食では,23.7%,夕食では7.9%の者が欠食しており,国民栄養調査(昭和56年度15〜20歳)^2)と比較するといずれも高い比率であった。また朝食における欠食が最も多く,朝食を5日間連続欠食した者も2.6%あった。なお1日に1回以上欠食した者としなかった者とでは,エネルギー摂取量に250kcalの差がみられた。 8.食品添加物の1人1日当たりの摂取品目は10〜69品目,平均43品目であり,摂取量は平均4.4gであった。これは谷村^15),藤井ら^16)の述べているものと近い数値であった。以上のごとく,栄養摂取量の不足や食品の摂り方における量不足と偏り,間食の摂り過ぎや欠食の多いことなど,問題点が多くみられた。従ってこれらのことがらについてきめ細かい指導の必要性を強く感じた。
- 東海学院大学・東海女子短期大学の論文
- 1984-03-31
著者
関連論文
- コーン油の酸化に及ぼすゴマ油の酸化抑制効果と混合した各種食用油脂の加熱における酸化状態
- 青年期女性の喫煙をめぐる諸問題 : 第1報喫煙習慣および生下時体重と父母の喫煙
- ゴマとゴマ油の食用油脂におよぼす酸化抑制効果 : 第2報 食用油脂の加熱酸化に及ぼすごま油の添加配合比の影響
- 女子短大生の昼食に関する意識と実態
- 女子短大生の食生活調査 : 米について
- 女子学生における食塩に対する味覚と亜鉛摂取量 : 食事調査に基づく検討
- 天然だしと風味だしを用いた汁物における塩分と味覚の関係について
- かつお節・こんぶそして混合だしの抽出溶液における食塩濃度と味覚感覚
- ***における塩味に対する味覚感覚
- 食品中のビタミンCについて : (第1報)キュウリとトマトの収穫時期および保存によるビタミンCの変動
- 青年期女子の体重観と日常生活
- 女子短大生の餅の喫食状況
- C105 教材整備のための化学教育用語の構成
- 青年期女子の体重観と自覚症状
- 青年期女性の喫煙をめぐる諸問題 : 第二報 幼児の発育におよぼす父母の喫煙
- 青年期女子学生の食生活についての考察 : 第三報 献立作成能力および年代別にみた食・健康の認識度
- 青年期女子学生の食生活についての考察 : 第二報 食意識と健康状態
- 青年期女子学生の食生活についての考察 : 第一報 野菜摂取からみた食意識
- 健康意識を中心にした食への関心度
- 食生活における食塩摂取について : 第2報 摂取頻度からみた加工食品中の食塩含量
- 食習慣を通してみた肥満者と貧血者の実態
- 食品中のビタミンCについて : (第2報)常食野菜の保存法の相違によるビタミンCの変動
- 附属幼稚園児の間食に関する調査
- 女子短大生における食生活の実態
- 意識調査による肥満の疫学的考察
- 女子短大生の昼食に関する意識と実態 : その3 外食について
- 女子短大生の昼食に関する意識と実態 : その2 自家製弁当について
- 市販そうざい・調理済み食品の利用に関する調査 : その2 意識と展望
- 乾物の調理簡便化の可能性について : 第2報 家庭における干ししいたけの調理の現状
- 乾物の調理簡便化の可能性について : 第1報 家庭における乾物利用の現状
- 食文化伝承の現状 : 第2報 行事食の認識度に与える要因
- 食文化伝承の現状 : 第1報 行事食の実態
- 4. 高齢者の食生活実態 : 外出状況と食事内容について(東海・北陸支部)
- 各務原市における介護予防対策のための一考察 : 第3報 ボランタリーハウスの活動の現状と課題
- クワイの苦味成分に関する研究(その2)(食品-物性, 物理化学, 分析-)
- 陰膳法による食事中の脂肪酸, ステロール, トコフェロールならびにナトリューム, カリウム, マグネシウム含量について
- 食生活における食塩摂取量と塩味嗜好について : 第一報 家庭におけるみそ汁の塩分摂取状況
- 岐阜市における母親学級受講者の食生活に関する調査 : 第2報 妊娠中の食品摂取状況および産後の食生活状況
- 岐阜市における母親学級受講者の食生活に関する調査 : 第1報 妊娠中の食生活アンケート調査
- おせち料理に対する意識と実態
- 腸内細菌Bacteroides fragilis由来スフィンゴリン脂質の哺乳類細胞への影響
- Bacteroides属のスフィンゴリン脂質について
- 細菌由来スフィンゴリン脂質の性状と細胞障害活性
- キャピラリーカラムを用いたガスクロマトグラフィーによるスサビノリ不けん化物の分析と加熱したアサクサノリの脂質組成の変動
- 玄米および白米がマウスの成長と体力に及ぼす影響(その1)
- 1AP-11 化学教育実践資料の評価と流通に関する基礎研究
- 1AP-10 化学教育文献における索引語の問題点について
- B-17 化学教育文献資料の物質名に関する索引語について
- 女子短期大学生の咬合力と体力ならびに踵骨骨密度
- 緑葉粉末が動物の発育におよぼす影響 II : 緑葉粉末保存の方法について
- 情報活動と消費者意識に関する研究:6 情報意識・活動とPL法との関係
- 情報活動と消費者意識に関する研究4:PL法に対する男女世代別特徴
- 消費者情報に関する研究(2) : 3世代女性の調査による表示の問題点と課題
- 社会の変化と高齢者の日常生活 : II.情報への対応
- 社会の変化と高齢者の日常生活 : I. 日常生活の実態
- 各務原市における介護予防対策のための一考察 : 第2報高齢者の外出行動と健康意識
- 各務原市における介護予防対策のための一考察 : 第1報世帯構造別にみた高齢者の生活実態
- 高齢者の食と健康 : 食事サービスの現状-各務原市の場合
- 偏食を生み出す要因に関する研究 : 嫌いな食品をなくす実践指導
- 偏食を生み出す要因に関する研究 : 子供期の食生活が及ぼす影響
- 偏食を生み出す要因に関する研究 : 女子短大生の偏食状況
- 偏食を生み出す要因に関する研究(第1報)女子短大生の偏食状況
- 市販そうざい・調理済みの食品の利用に関する調査 : その1.利用実態
- 漬け物に関する調査 : その3 低塩漬け物について
- 漬物に関する調査 : その2 漬物から摂取する塩分
- 漬け物に関する調査
- 食塩の食品への浸透について : じゃがいもの場合
- 食用としてのよもぎの研究 I
- 強化食としての酵母の研究(III)
- 海藻の脂質の研究-2-英虞港に生育する海藻のステロ-ルおよび脂肪酸組成について
- 玄米および白米がマウスの成長と体力に及ぼす影響(その2)
- 強化食品としての酵母の研究 (I)
- 緑葉粉末が動物の発育におよぼす影響
- 女子学生および両親の喫煙と日常生活の状況
- ゴマとゴマ油の食用油脂におよぼす酸化抑制効果 : 第1報 食用油の保存による過酸化物価の変動
- 海藻の多価不飽和脂肪酸とビタミンEとの関係
- カワノリPrasiola japonica YATABEのステロールおよび脂肪酸組成
- 陰膳法による女子短大生の日常食中の微量栄養成分について : 脂肪酸とステロール組成および2,3の無機質含量
- 食品材料およびモデル献立中の不溶性食物繊維
- ワカメの葉・茎・胞子葉およびスサビノリのステロールならびに脂肪酸組成について
- 女子学生の手指の冷え感と手指の形態の関係
- Relationship between Biting Force and Physical Fitness and Calcaneus Bone Density in Students of Women's Junior College.