ワカメの葉・茎・胞子葉およびスサビノリのステロールならびに脂肪酸組成について
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概要
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ワカメの葉・茎・メカブの各部位およびアサクサノリの原料であるスサビノリのステロール組成ならびに脂肪酸組成について調べ,海藻の食品としての価値を脂質の面から検討した。1.ワカメの各部位の主ステロールは,24-メチレンコレステロールとフコステロールであり,葉部は乾燥重量100g当り32.4mgの24-メチレンコレステロールおよび206mgのフコステロールを含有した。これは,茎部・メカブ部より有意に高い含量であった。しかし,茎・メカブ部両者の間に差は認められなかった。2.スサビノリの主ステロールは,コレステロールで,全ステロールの46.9%を占め,乾燥重量100g当り2.7mgの含有である。これはのり1枚(平均3g, 上級品)中0.081mgという含量である。3.ワカメの葉部の脂肪酸は,飽和脂肪酸を23.7%,不飽和脂肪酸を76.3%の割合で含有し,オレイン酸, リノール酸, リノレン酸, アラキドン酸, エイコサペンタエン酸など高度不飽和脂肪酸に富んだ。4.茎部の脂肪酸は,飽和脂肪酸を31.8%, 不飽和脂肪酸を68.2%含有し,オレイン酸, リノール酸, アラキドン酸に富んだ。5.メカブ部の脂肪酸は,飽和脂肪酸を43.5%, 不飽和脂肪酸を56.5%含有し,オレイン酸とリノール酸に富むが,C_20の不飽和脂肪酸は少ない。6.スサビノリは,飽和脂肪酸を23.3%, 不飽和脂肪酸を76.7%含有し,ワカメ葉部と同じ割合であった。しかし,スサビノリはエイコサペンタエン酸のみで30%の高値で含有されているのが特徴的であり,それは乾燥重量100g当り38.9mgの含量である。そしてスサビノリのC_18の不飽和脂肪酸は,9.1%と低い含有であった。
- 東海学院大学・東海女子短期大学の論文
- 1985-03-31
著者
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