かつお節・こんぶそして混合だしの抽出溶液における食塩濃度と味覚感覚
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概要
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女子短大生を対象に塩味に対する味覚感受性を食塩水溶液,2%かつおだし溶液,4%こんぶだし溶液,混合だし溶液(2%かつお+4%こんぶのだし溶液)に食塩を添加し,味覚検査を行い検討をした。1)塩化ナトリウムによる塩味の味覚検査の回数を重ねることにより,バラツキが大きかった塩味の好みが標準的な汁物の食塩濃度範囲(0.8%〜1.0%)に変化した。2)かつおだし,こんぶだしの食塩濃度は0.8%を「ちょうどよい」とした味覚比率がそれぞれ52.2%,46.1%で,一番高い値を示した。また,こんぶだしの方は0.4%,0.6%の食塩溶液を「ちょうどよい」とした味覚比率が約20%あった。これに対し,混合だしは,0.6%と0.8%の食塩濃度を「ちょうどよい」とした味覚比率が38.5%と37.4%でほとんど同じ値を示した。かつおだしやこんぶだしのような単独のだし汁の場合とは異なり,混合だしの食塩溶液では0.6%と0.8%の濃度差の識別が困難になっていることがうかがえる。3)食塩水溶液6種,かつおだし溶液,こんぶだし溶液,混合だし溶液にそれぞれ食塩を添加した食塩水溶液(各6種)を試料とし塩味味覚検査を行い,"最もおいしい"と感ずる塩味嗜好についてχ2検定を行った。食塩水溶液については3回の検査を通して食塩濃度0.8%の試料が1%の危険率で有意に"最もおいしい"と感じた。かつおだしでは0.8%,こんぶだしと混合だしでは0.6%の試料を1%危険率で有意に"最もおいしい"と感じた。4)被検者が試料に与えた順位の一致性をケンダールの一致性係数Wで検定した。食塩のみの場合には,1回目が0.83,2回目が0.99,3回目が0.90で,各試料間について1%の危険率で判定に一致性がみられた。また,かつおだしでは0.81,こんぶだしでは0.87,混合だしでは0.79で,こちらも各試料間について1%の危険率で判定に一致性がみられた。
- 1995-03-31
著者
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