西南日本領家帯(四国),高浜花崗岩類の冷却史,特に新第三紀貫入岩類による熱的影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
We evaluated the cooling history of the Cretaceous Ryoke Granitic Rocks (Takahama Granitic Rocks, TGR) exposed in the Takahama area (Shikoku), with special reference to the thermal effect caused by later intrusive rocks. The Neogene andesitic intrusive rocks intrude into the TGR in the southern part of the Takahama area. These rocks together belong to the Setouchi Volcanic Rock Suite. The K-Ar whole rock age of a sample, determined in this study, is 12.2±0.6 Ma. For the evaluation of the thermal effect by Takahama-Kuroiwa Intrusive Body (TKIB) of the Neogene intrusive rocks to the TGR, we determined K-Ar and FT mineral ages of five rock samples of the TGR from various distances (0.1, 1, 8.5, 51 and 90 m) from the contact with the TKIB. Annealing effects by the later intrusion on FT ages of zircon and apatite are observed in the samples from 0.1 to 8.5 m and from 0.1 to 51 m, respectively. FT ages of zircon at 0.1 m (13.1±0.4 Ma) and apatites from 0.1 to 8.5 m (14.4±1.4, 13.0±1.3 and 12.4±1.1 Ma) are nearly identical to the intrusive age of the TKIB. Therefore, the temperatures experienced by these minerals were higher than the upper limits of PAZs (partial annealing zones). By application of the relationships between track lengths of zircon, annealing temperatures, and annealing duration (Yamada et al., 1995), we tried to estimate the annealing temperatures of zircon. Annealing duration was estimated as being between about 102 and 103 years by the using a one-dimensional non-steady state thermal diffusion model. The above results showed that the peak temperatures of annealing were >450°C at 0.1 m, 300-370°C at 1 m, 270-300°C at 8.5 m and >60-90°C at 51 m from the contact of the TKIB. K-Ar ages of hornblende and biotite of a TGR sample taken from the northern part of the area, where no later intrusive rocks are found, are 87.6±4.4 Ma and 86.4±4.3 Ma, respectively. Fission Track ages of zircon and apatite from the same sample are 73.6±3.0 Ma and 54.8±3.7 Ma, respectively. K-Ar ages of hornblende and biotite, Fission Track ages of zircon and apatite of a TGR sample, which was not subjected to thermal effect by the intrusion, at 90 m distance from the TKIB are 91.1±4.6 Ma, 89.1±4.5 Ma, 76.3±4.3 Ma and 54.7±3.5 Ma, respectively. Assuming reasonable closure temperatures, the cooling history of the TGR that we deduced is as follows: emplacement at about 90 Ma, followed by rapid cooling with a rate of about 105-175°C/m.y. (within a temperature range of about 510-300°C) and slow cooling with a rate of about 6°C/m.y. (within a temperature range of about 300-100°C). The earlier high rate resulted from the rapid cooling of the TGR after their emplacement and solidification, while the later slow cooling rate resulted from the slow exhumation of the TGR after rapid cooling.
- 日本鉱物科学会の論文
- 2001-01-31
著者
-
梅田 浩司
原子力機構
-
小松 亮
核燃料サイクル開発機構東濃地科学センター
-
梅田 浩司
核燃料サイクル開発機構 東濃地科学センター
-
梅田 浩司
核燃料サイクル開発機構
-
梅田 浩司
日本原子力研究開発機構・東濃
-
棚瀬 充史
住鉱コンサルタント(株)
-
湯佐 泰久
核燃料サイクル開発機構東濃地科学センター
-
棚瀬 充史
住鉱コンサルタント
-
湯佐 泰久
核燃料サイクル開発機構 東濃地科学センター
-
湯佐 泰久
サイクル機構
-
湯佐 泰久
核燃料サイクル開発機構 東濃地学セ
関連論文
- 紀伊半島東部中央構造線近傍の流体包有物中のヘリウム同位体比
- PB27 中部日本における火山活動の時空分布 : 両白・飛騨・北部フォッサマグナ・信越・関東山地地域の火山活動様式の変遷からみた後期鮮新世以降の地殻応力場の変遷
- 中新世後期-鮮新世前期に形成された, 仙台市北西部の黒鼻山玄武岩
- 2007年7月新潟県中越沖地震の災害緊急調査報告
- MT法におけるファーリモートリファレンス処理の効果と紀伊半島南部地域の深部比抵抗構造
- A52 別府湾コアからみた阿蘇火山中岳における最新期のマグマ水蒸気爆発
- 75 別府湾で採取されたピストンコア試料中のテフラ層の給源(第四紀)
- MT法データの信頼性評価に関する一考察
- 別府湾コアからみた由布・鶴見火山群における完新世の噴火活動
- 大山および三瓶火山起源テフラのフィッショントラック年代とその火山活動史における意義
- RIPL法によるテフラ降灰層準の認定と最新の噴火活動の推定 (地質環境の長期安定性(上)高レベル放射性廃棄物の地層処分と地球科学)
- 岩手県松川地熱地域北方に分布する火山岩のK-Ar年代
- 東北日本, 火山フロント付近の 2.O Ma 以降の火山活動とテクトニクスの推移
- 東北日本,笊森,高松,船形および三吉・葉山火山のK-Ar年代
- 八幡平火山群の地質とマグマ組成の時間-空間変化
- B09 安達太良火山の形成史 : K-Ar 年代値からの再検討
- P20 鳥海火山帯南部地域の火山活動 (1) : 守門火山の K-Ar 年代
- P17 岩木火山の形成史
- B13 東北日本, 第四紀火山の時空分布 (2) : 成層火山の体積, 噴出期間および化学組成変化
- B12 東北日本, 第四紀火山の時空分布 (1) : 背弧側への火山活動域の拡大
- 飛騨古川〜御母衣湖地域の濃飛流紋岩(概報) : 濃飛岩体北部地域における東西地質断面
- O-16 ヘリウム同位体は伏在活断層を検出するための指標となり得るか?(2.地下地質環境の地球科学:現象と応用,口頭発表,一般講演)
- 前弧域の非火山地帯における高温異常域について--紀伊半島中〜南部の地殻・マントル構造と温泉ガスのヘリウム同位体比 (地質環境の長期安定性(上)高レベル放射性廃棄物の地層処分と地球科学)
- 西南日本領家帯(四国),高浜花崗岩類の冷却史,特に新第三紀貫入岩類による熱的影響
- P18 領家帯, 高縄トーナル岩のマグマ貫入時の熱履歴
- P14 噴火活動による地質環境への影響調査(その 2) : 岐阜県北部, 水鉛谷給源火道周辺の熱履歴
- 紀伊半島南部地域の重力異常と深部比抵抗構造から推定される地熱構造
- 日本の坑井温度プロファイルデータベース
- 広帯域MT法による紀伊半島の中新世珪長質火成岩体の深部構造
- 大山最下部および下部火山灰にはさまれるテフラの岩石記載的特徴
- 新期大山テフラDNP,DSP,DKPの岩石記載的特徴の再検討
- 別府湾コアにおける最近7000年間の火山灰層序 : ピストンコア中の火山灰と阿蘇, 九重火山のテフラとの対比
- 日本の地盤を対象とした透水係数データベースの作成
- 千葉県東方沖地震による松尾・成東・東金周辺地域の斜面崩壊 : 地震による洪積台地の斜面崩壊
- P-194 高レベル放射性廃棄物処理における隆起・侵食に起因する変動シナリオのための情報整理の考え方(23.環境地質,ポスター発表,一般講演)
- 紀伊半島南部, 本宮および十津川地域の温泉周辺の熱水活動史
- 林谷安山岩:九頭竜川最上流域に見いだされた100Maのカルクアルカリ安山岩
- 38 九頭竜川最上流域における99Maカルクアルカリ安山岩(林谷安山岩)について
- 飛騨外縁帯およびその周辺における先濃飛期火山作用 : 中生代
- 自然から学ぶ廃棄物処分の智恵--ナチュラルアナログ研究のすすめ (平成13年度「放射性廃棄物管理専門研究会」報告書)
- 2004年新潟県中越地震による斜面災害の融雪後の状況について
- P-11 奧美濃酸性岩類洞戸コールドロンの形成過程とバイモーダル火山活動 : 中部地方における白亜紀末〜古第三紀火成活動の特徴(3.新しいカルデラ像を探る,ポスター発表,一般講演)
- P-111 飛騨山脈およびその周辺の新生代応力場の変遷 : 岩脈群と火山活動様式からみた 2∿3Ma における応力場の転換期
- 親不知火山岩層のK-Ar年代 : 富山・新潟県境地域における約100Maの安山岩質火山活動の証拠
- P68. 泥岩を対象としたヒ素溶出試験と問題点(環境・地下水,ポスターセッション)
- 安達太良火山,1900年爆発的噴火の再検討
- A17 安達太良火山1900年爆発性噴火で発生した疾風堆積物の粒度組成
- 栗駒火山の形成史
- 安達太良火山のK-Ar年代: 安達太良火山形成史の再検討
- K-Ar年代測定に基づく両白山地の鮮新 : 更新世火山活動の時空分布
- 岐阜県土岐川沿いに露出する高マグネシウム安山岩岩脈のK-Ar年代
- 福井県大野市, 前期中新世荒島岳コールドロンの地質と岩石
- 日本列島における温泉・熱水変質帯について
- 坑井データによる地下温度構造の推定
- 坑井温度データから算定した地熱地帯における熱水流体の流動速度及び熱流量
- 下北半島, むつ燧岳火山地域の変質帯と変質岩の熱ルミネッセンス年代
- 江戸崎観測井の先新第三系砂岩のモード組成と帰属(関東平野下に伏在する東西日本の境界-地表および地下地質からのアプローチ-)
- 飛騨山脈中央部,上廊下〜雲ノ平周辺の第四紀火山岩類のK-Ar年代
- 白馬大池火山のK-Ar年代
- S-103 火山・地熱活動の将来予測 : 非火山地域の例((12)地質環境の将来予測と地層処分 : 予測科学としての地質学,口頭発表,シンポジウム)
- 地質環境の長期安定性と地層処分--今後の研究開発に向けた視点 (地質環境の長期安定性(上)高レベル放射性廃棄物の地層処分と地球科学)
- P-121 岐阜県東部、阿寺断層の周辺に発達するNE-SW系断層の特徴(15.テクトニクス,ポスター発表,一般講演)
- O-125 地下数100m〜1kmにおける断層破砕帯の発達過程 : 岐阜県東部の阿寺断層における例(14.テクトニクス,口頭およびポスター発表,一般講演)
- 東濃ウラン鉱床におけるナチュラルアナログ研究--最近の研究成果と今後の展開について (特集 自然に学ぶ:放射性廃棄物の地層処分) -- (地層処分に関わる天然類似現象とその観察)
- 世界における天然類似現象(ナチュラルアナログ)研究の概要 (特集 自然に学ぶ:放射性廃棄物の地層処分)
- A43 石川県, 戸室火山の K-Ar 年代
- B40 FEP解析手法を応用した演繹的火山噴火シナリオ作成の推定ロジックルールの試作と三宅島2000噴火経過予測への試験的適用(火山防災と啓発,口頭発表)
- 自然から学ぶ放射性廃棄物処分の知恵 : ナチュラルアナログのおしえ
- 自然から学ぶ高レベル放射性廃棄物処分の知恵 -ナチュラルアナログ研究のすすめ-
- 核燃料サイクル開発機構東濃地科学センター
- 自然から学ぶ廃棄物処分の智恵 : 現状・課題・地学の役割
- 自然から学ぶ廃棄物処分の智恵 : 地質学は何ができるか (廃棄物処分と地質学の役割 : 放射性廃棄物の地層処分研究を例として)
- 山陽帯東部,土岐花崗岩体の冷却史
- P-180 長崎県,福江火山群のK-Ar年代(26. 噴火と火山発達史(液晶有),ポスター発表,一般講演)
- O-344 透水性割れ目を同定・分類する地質学的調査手法の開発 : その1:土岐花崗岩体を例とした研究開発の現状と課題(30. 応用地質学一般,口頭発表,一般発表)
- O-317 単成火山群の確率論的将来予測 : 東伊豆および東山陰地方の単成火山を例にして(26. 噴火と火山発達史(液晶有),口頭発表,一般講演)
- 9 地層処分における地質環境の役割と将来予測(自然現象予測への地質学の貢献,シンポジウム)
- P-43 兵庫県北部,神鍋単成火山群太田,神鍋火山のテフラ年代(10. 地域地質・地域層序,ポスター発表,一般講演)
- P-55 岐阜県高山市東方に分布する安山岩岩脈群のK-Ar年代(10. 地域地質・地域層序,ポスターセッション,一般発表)
- P-48 阿寺断層地殻応力測定井中に見い出された上野玄武岩とその意義(11. 地域地質・地域層序,ポスターセッション,一般発表)
- O-319 両白山地、最近300万年間の火山活動の時空分布(29. 火山地質と火山発達史,口頭発表,一般発表)
- 後背地推定のための花崗岩体の識別方法の検討 : 中部地方の領家花崗岩と山陽帯花園岩を例として