別府湾コアにおける最近7000年間の火山灰層序 : ピストンコア中の火山灰と阿蘇, 九重火山のテフラとの対比
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概要
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別府湾で採取されたピストンコア試料における火山灰層序を記載するとともに, 由布, 九重, 阿蘇火山における鬼界アカホヤテフラ降灰以降の火山灰層の岩石記載的特徴を明らかにした.また, 発泡した淡緑褐色火山ガラスの多産により特徴づけられる別府湾のG-グループ火山灰に着目し, ガラスの屈折率測定およびEPMAによる主成分分析を行い, 周辺火山のテフラとの対比を試みた.その結果, G-6火山灰は阿蘇中岳のマグマ水蒸気爆発による産物N 2期テフラに, G-5火山灰下部は阿蘇火山N 7期テフラに, 上部はN 6期スコリア(杵島岳スコリア)およびN 4期スコリア(往生岳スコリア)に対比できることが判明した.G-4火山灰は九重火山A 1-8火山灰層に対比できる.別府湾のコアに含まれる貝殻の^<14>C年代と, 堆積速度から算出した各火山灰の堆積期(暦年代)は, G-6火山灰がAD 330,G-5火山灰が2590 BC〜1580 BC, G-4火山灰が4730 BC〜4550 BCである.
- 日本地質学会の論文
- 2000-01-15
著者
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