甘蔗汁の限外濾過膜透過性
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概要
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分画分子量の異なる2種の膜, PM-30(分画分子量, 30,000), PM-10(10,000)およびYM-5(5000), YM-2(1000)を使用して無処理および石灰添加甘庶汁の限外濾過を行い,透過流束,透過液および残液の糖度,多糖類および蛋白質の測定を行い,甘蔗汁の膜透過性を比較検討した. 無処理の甘蕪汁をYM-5膜を使用して限外濾過を行うと, PM-30膜を使用した場合に得られる透過流束に匹敵する高い流束が得られ,その流束は長時間濾過を行ってもわずかに減少するのみであった. 石灰添加甘庶汁でもYM-5膜を使用して限外濾過を行うと,透過流束がPM-10膜のそれより透過流量70ml以後で高い値を示し,その後も減少せず高い流束を維持した. 膜による蔗糖の透過阻止率はYM-5膜を使用して85°Cでライミングを行った甘蕉汁が最も低い値(2.9%)を示した. このような結果から, YM-5膜は甘蔗汁の透過性にすぐれていることが明らかとなった.また限外濾過法を製糖工程に適用する場合は蛋白質吸着性の少ない膜の選定が重要であることも明らかとなった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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