α-アミノ酸の呈味作用に関する研究(第2報) : α-アミノ酸の旨味増強作用について (1)
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概要
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20種のα-アミノ酸の呈味作用について研究の効果,つぎのような知見を得た. (1) α-アミノ酸単独の添加効果は,L-グルタミン酸ソーダ,L-アスパラギン酸ソーダを除いて大部分のアミノ酸は旨味を増強する効果はない. (2) α-アミノ酸とL-グルタミン酸ソーダ間の2因子相乗効果はまったく認められない. (3) α-アミノ酸と核酸系呈味物質間の2因子相乗効果は,L-グルタミン酸ソーダ,L-アスパラギン酸ソーダを除いてほとんどのα-アミノ酸は認められない. (4) しかしながら,α-アミノ酸のうち,グリシン,L-アラニン,L-セリン,L-メチオニン,L-ヒスチジン塩酸塩,DL-トリプトファンなどは核酸系呈味物質,L-グルタミン酸ソーダの3者を共存した場合,旨味に関して特異的,相乗的な作用を示し,核酸系呈味物質とL-グルタミン酸ソーダ間の2因子相乗効果とは別質の3因子相乗効果が存在する. (5) この3因子相乗効果において,L-グルタミン酸は食品添加物用のL-グルタミン酸ソーダをはじめ,醤油,アミノ酸液のようなL-グルタミン酸を含有する調味料,食品であっても同様の効果が得られる. (6) α-アミノ酸対核酸系呈味物質の混合比はかなり広範囲にわたって適用することができるが,相乗効果を有意に働かせるためには,効果的な混合比と適正な濃度が存在する. (7) このα-アミノ酸の旨味増強作用はアミノ酸の新用途開発,食品の新製品開発,品質改善,コスト・ダウン等に有効に応用されるものである.
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