ピーマンの結実•肥大に関する研究 (第1報) : 着果習性について
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概要
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“三重改良”, “さきがけみどり”を供試し, 砂耕法によつて培養し, 着果習性について調査した。なお, 日照不良および多チッソ施与の着果習性におよぼす影響についても検討を加えた。1. 開花結実後担果数が増加しはじめると, まず結実歩合が低下しはじめ, 担果数が最大に達するころよりまた結実歩合が上昇する。そして担果数が最小になるころ結実歩合は最高になるようである。一方担果数は開花数が増加するにつれて増加し, 担果数が最大になる少し前に開花数が最大となり, 後減少し始め, 担果数の最小になる少し前に最小の開花数となり, やがてまた増加しはじめている。以上のように担果数, 結実歩合, 開花数に周期をみとめ, 山と谷との間は約1か月で, 交互に現われている。2. 結実歩合はほとんど気象条件や温度に影響されないが, 開花数は曇雨天によつてやや減少する。しかし曇雨天が継続するときは花が成熟して開花するようになる。3. 主枝の結実歩合はほぼ安定していて, 80%以上であるが, 側枝の花のそれは担果数の多いときは10%以下で, 担果数の少ないときは100%に近く, 平均約30%である。4. 果実の肥大は高夜温によつて促進されるが, 22°Cまでで, 23°C以上が続くと肥大が抑制されるようである。一方20°C以下になると肥大が阻害されるけれど, 16°C以下になるとその阻害が一層はげしくなる。5. 多チッソおよびしや光によつて担果数の周期は日照普通•標準チッソ区と変りはないけれど担果数の山が低く平坦になつて谷との差が次第に明らかでなくなる傾向がみられる。とくにしや光区において著しい。同様に多チッソおよびしや光によつて結実歩合は急激に低下し, しかも低結実歩合の期間が標準区より長く続いてのち結実が高まつている。この傾向はしや光区の方が多チッソ区より著しい。また開花数は日照普通•標準チッソ区, 多チッソ区, しや光区の順に減少している。
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