2,3の中国産野生型カメリア節ツバキの色素分布の様相と系統発生について
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概要
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ツバキ属花弁のアントシアン色素分布の様相を明らかにすることを目的とし, さらに色素を化学的指標として用いた場合のカメリア節の系統発生について論じた. 結果の概要は次のとおりである.<BR>南山茶と浙江紅花油茶はいずれも比較的単純な配糖体型の, いわゆる低次色素系を持つものであったが,宛田紅花油茶は主要な低次色素系に総色素量の6%に相当するサルウィンツバキ型の高次色素系が混在するものであった.<BR>低次色素系では三者ともクロマトグラム上のスポット1を主体とした. さらに, スポット1に占めるシアニジン-3-ガラクトシド量は南山茶と宛田紅花油茶で少なく, 浙江紅花油茶で多かった. つまり低次色素系に限っていえば, 南山茶と宛田紅花油茶はヤブツバキ型, 浙江紅花油茶はユキツバキ型の色素分布を示した.<BR>以上の色素分布の様相と色素の遺伝, あるいは種の地理的な分布, たとえば高次色素系の生成は低次色素系のそれより遺伝的に優性であることや, カメリア節がサルウィンツバキ-宛田紅花油茶-南山茶-浙江紅花油茶の順に地理的に隣接して分布することを踏まえ現存の種にあてはめると, サルウィンツバキから宛田紅花油茶を経て南山茶や漸江紅花油茶に至る種の系統発生が考えられた. さらに, 南山茶あるいはその祖先型からヤブツバキが, また漸江紅花油茶あるいはその祖先型からユキツバキがそれぞれ派生した可能性が高いと推察された.
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