アサガオにおける懸濁培養からの植物体再生
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概要
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アサガオ(Ipomoea nil (L.) Roth.)の品種Violetの未熟胚をN6無機塩類,MS有機栄養素(ビタミン類,グリシン,ミオイノシトール),3mg・liter^<-1> NAA 及び60g・liter^<-1>ショ糖を含む液体培地で回転培養することによって,効率的に懸濁培養系を確立することに成功した.懸濁培養細胞塊は1週間あたり圧縮細胞容積で1.5倍から2.5倍の増殖を示し,0-0.5mg・liter^<-1> NAA,60g・liter^<-1>ショ糖および3.2g・liter^<-1>ゲランガムを含むMS培地に移植すると,細胞塊あたり3.57-3.90個の体細胞胚が形成された.体細胞胚を0.2mg・liter^<-1>IAA,2mg・liter^<-1> BA,30g・liter^<-1>ショ糖および10g・liter^<-1>寒天を含むMS培地にて培養し,形成されたシュートを発根のため,無機栄養素を1/2に減じ,30g・liter^<-1>ショ糖および10g・liter^<-1>寒天を含むMS培地に移植すると小植物体が再生した.懸濁培養細胞塊の圧縮細胞容積0.1mlあたりの小植物体再生数は40個体以上であった.再生した小植物体は順化させ,現在その特性を調査中である.今後,本培養系をプロトプラスト培養,遺伝子導入,変化アサガオの増殖などに適用し,アサガオの育種に利用したいと考える.
- 2003-09-15
著者
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