シアンイオンおよびシアン酸イオンと共存するハロゲンイオンの回転白金電極を用いた短絡電流指示法による銀滴定
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概要
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シアンイオンおよびシアン酸イオンと共存するハロゲンイオンを単一操作で迅速正確に銀滴定する短絡電流滴定法を提案する.シアンイオンを中性ないし弱アルカリ性でホルムアルデヒド溶液と常温で反応させると瞬間的にホルムアルデヒドシアンヒドリンを生成する.このものは銀滴定の妨害にはならないが,過剰のホルムアルデヒドは妨害する.硝酸を添加してpH3以下の酸性にするとホルムアルデヒドは銀イオンに対する還元性を失い,シアン酸イオンをも同時に分解する.このような処理をしたのちゼラチンを加え,回転白金電極とS.C.E.による短絡滴定を行なうことによって,ハロゲンイオンのみを定量することができる.<BR>濃度10<SUP>-2</SUP>〜10<SUP>-4</SUP><I>F</I>の塩素イオン,臭素イオンまたはヨウ素イオンにつき,式量濃度で100倍以上のシアンイオンとシアン酸イオンが共存しても,上述の処理をしたのち滴定すればハロゲンイオンを精度よく定量しうることが明らかになった.ハロゲンイオンの10<SUP>-2</SUP><I>F</I>溶液では±0.1%,10<SUP>-3</SUP><I>F</I>溶液では±1%,また10<SUP>-4</SUP><I>F</I>溶液では±4%の滴定誤差で定量できた.<BR>分析に要する時間は1回につき約15分である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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