内標準原子吸光分析法による有機物を含む水溶液試料中の微量金属の定量 : I.基礎研究

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概要

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炎を原子化部にした原子吸光分析は物理干渉,化学干渉が少ないといわれているが,実際の試料になると両干渉は無視できず,液性が不明である試料については標準添加法が用いられる.著者らはこの標準添加法より,試料量が少なく,又,より迅速に定量が可能である内標準法を検討した.種々の濃度のエタノール及びブドウ糖を含む水溶液に一定濃度のカドミウム,クロム,銅,鉄,マンガン,鉛,亜鉛及び金を加え,金を内標準元素として他の元素を定量するとき,物理干渉,化学干渉がどの程度補正されるかを調査した.その結果,元素ごとに燃焼条件及び測定位置を選ぶことによって,エタノールの濃度は20%まで,ブドウ糖の濃度は5%までの溶液において,5%以内の誤差で定量することができた.これは種々の濃度の有機溶媒,溶質を含む実試料の分析に内標準法が適用される可能性を示している.
社団法人日本分析化学会の論文
1980-02-05

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