原子スペクトル分析における気相試料導入法の基礎的研究

概要

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原子スペクトル分析(原子吸光分析, 原子発光分析, 原子蛍光分析)における測定感度の向上のために, 分析種を化学反応を利用することによって揮発性の化合物(気体)に変換して化学フレームやプラズマ中に導入する気相試料導入法の基礎的な研究の成果を総説の形で記述した.まず, 気相試料導入法の長所と短所について考察した.次に気相試料導入法を, 1)水素化物発生法, 2)水銀の還元・気化法, 3)揮発性化合物への変換・導入法の3種に大別し, それぞれについて概説した.更に, 水素化物発生法の原子吸光分析, 誘導結合高周波プラズマ(ICP)発光分光分析, 原子蛍光分析への適用, 水銀の還元・気化法の大気圧ヘリウムマイクロ波誘導プラズマ(MIP)発光分光分析, 原子蛍光分析への応用, 揮発性化合物への変換・導入法のICP発光分光分析, MIP発光分光分析への適用について個別に記述し, 本法の実際試料の分析への応用についても述べた.いずれの場合にも, 通常の溶液噴霧法と比較して大幅な感度の向上が見られ, 又多くの応用例においても十分に満足すべき結果を得ることができ, 本法の有用性が実証された.
1992-02-05