原発性胆汁性肝硬変にみられる顆粒状オルセイン陽性物質 : I. 形態学的特徴
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概要
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PBCの肝切片を志方らのオルセイン染色で検索したところ,PBC 26例全例に顆粒状オルセイソ陽性物質の出現を認めた.蛍光抗体直接法によりHBsAgを染めると,顆粒状オルセイン陽性物質は染まらず,本物質とHBsAgとは関係のないことが証明された.本物質は,肝小葉ならびに再生結節辺縁部の肝細胞に出現し,凝集する傾向を示し,胞体内では核周囲に偏在していた.これらの所見,また変性肝細胞,クッパー細胞や食細胞にも本物質がみられることより,肝細胞における本物質の蓄積と肝細胞崩壊,とくにPBCでは辺縁部肝細胞脱落が目立つので,その蓄積との関連性が示唆された.また本物質と銅との密接な関連性が,ルベアン酸染色とオルセイン染色を用いた連続切片により証明された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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