肝内HB抗原によるアルコール多飲者肝硬変の形態学的修飾について : 剖検肝を中心に
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概要
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アルコール多飲者肝硬変19例の剖検肝を予め設けたクライテリアに基づいて,形態分類すると,アルコール性肝硬変が確実な群8例,疑われる群5例,考えにくい群6例となった.マロリー体の有無にかかわらず古典的な門脈性肝硬変を示すものは9例(大酒家中47%,全肝硬変中16%)であり,確実な群8例中の6例と疑われる群5例中の3例であった.肝内HBs抗原をみとめたもの5例,HBc抗原1例であるが,HBs抗原陽性5例中の2例(確実な群に属す)ではマロリー体も共存しており,その肝はいずれも粗大結節性の壊死後性肝硬変であった.これに反し,確実な群中残りの6例は,HB抗原陰性の小結節性の門脈性肝硬変であったので,アルコールとHBVの両病因が肝に作用した肝硬変では,ビールス表現が強く肝にあらわれて,壊死後性肝硬変の姿を示し,HBV感染のないアルコール多飲者肝硬変では,門脈型に近い形態を示すであろうと考えられた.これを支持する所見がアルコール性肝硬変が疑われる群や考えにくい群の形態とHBVの肝内感染の有無についての検索成績からも得られた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
太田 五六
金沢大第二病理
-
太田 五六
金沢大学医学部医動物
-
広瀬 鎮郎
金沢大学医学部第2病理
-
吉沢 浩司
東京都臨床医学総合研究所肝炎部門
-
吉沢 浩司
東京都臨床医学綜合研究所
-
吉沢 浩司
東京都臨床医学総合研究所肝炎プロジェクト
-
太田 五六
金沢大学医動物
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