日本海沿岸北部における海岸林の特徴と現況(<特集>東北地方の海岸林の現状と保全)
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概要
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本研究では日本海沿岸北部海岸林の範囲と特徴を従来の研究成果やGISデータ分析をもとに考察した。はじめに,海岸の形態と特徴について従来の研究成果を総合的に検討し,名称とその用法について整理した。次に,日本海沿岸北部の範囲を特定するために,気候区分,海岸形態の分布,地体構造線,海岸災害の分布,植生の分布による区分を分析し,その範囲を「新潟沿岸の新発田市から津軽半島西側沿岸まで」として位置付けた。また,海岸林を「海岸の塩風の環境のもとで成立している森林群落で,それには砂丘地だけでなく,丘陵・崖地に成立する森林も含み,天然生林では内陸とは組成や構造が異なる森林」と定義した。これらの新たな基準を基に,日本海沿岸北部海岸林の特徴を探るため,潜在植生と現存植生について東北地方太平洋沿岸地域との比較を行った。さらに,海岸のタイプごとの延長距離と海岸林の面積について分析を行った。以上の結果から,日本海沿岸北部海岸林の特徴は,海岸砂丘地における飛砂防止のために造林された広大なクロマツ林が存在し,所々に岩石海岸が点在し,その部分に潜在植生が点在して残っている状況が明確化された。
- 東北森林科学会の論文
- 2000-10-31
著者
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