NCS剤注入防除を行った林分でのカシノナガキクイムシによる被害と防除効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
NCS剤注入法による防除効果を検証することを目的に,防除事業が行われた林分でのカシノナガキクイムシによるコナラとミズナラの被害状況を防除前後の2年間調査した。被害を受けた個体の割合はコナラが高かったが,枯死率はミズナラの方が高かった。コナラは2年連続して加害された個体の割合が高く,ミズナラは2年連続して加害されなかった個体の割合が高かった。防除後に激害・枯死した被害木の約9割が前年に被害を受けていない個体であった。防除域で防除前に被害を受けなかった個体は,非防除域よりも防除後の枯死率が低かった。これらのことから,NCS剤による防除に枯死率を下げる効果があることと,防除林分でもこれまで報告された非防除林分での結果と同様に,前年被害を受けていないミズナラに被害が集中することが判明した。
- 東北森林科学会の論文
- 2006-03-31
著者
関連論文
- ヤマガラによる貯蔵散布がエゴノキ種子の発芽に及ぼす影響
- CCDカメラによる撮影画像を用いた樹洞の深さと内部容積の推定方法
- アオキミタマバエによる虫えい形成がヒメアオキの実生更新に及ぼす影響
- 松枯れ後に成立した二次林を構成する低木・亜高木種の萌芽特性
- 河畔域におけるオニグルミの齧歯類による種子散布と実生の定着
- 多雪斜面におけるブナ林の表層雪崩による攪乱の実態と攪乱後の林分構造
- かき起こし後の林床における野ネズミによる種子の捕食
- 散布後の種子捕食者としてのツチカメムシの繁殖生態
- ツチカメムシの吸汁が引き起こす散布後のカスミザクラ種子の腐敗
- 発芽生物学 : 種子発芽の生理・生態・分子機構
- ヤマボウシの埋土種子から実生の定着にいたる更新初期過程
- 北限域のタブノキ林
- 太平洋側北限域におけるタブノキ純林と混交林の林分構造と更新
- 豊作年の種子落下後に伐採されたブナ林におけるブナ当年生実生の生残と成長
- 北限域のタブノキ成熟林とその周辺のクロマツ林におけるタブノキ稚樹の成長と光環境
- 北限域の異なる光環境下におけるタブノキ実生の生存と成長(東北地方の海岸林の現状と保全)
- 北限域のタブノキ成熟林とその周辺のクロマツ林におけるタブノキの更新
- 日本海沿岸北部における海岸林の特徴と現況(東北地方の海岸林の現状と保全)
- 豊作後ギャップが形成されたコナラ林の実生の生残と成長
- 北限域におけるタブノキの更新初期過程(東北地方の海岸林の現状と保全)
- 環境教育の場としての学校林の生態管理
- NCS剤注入防除を行った林分でのカシノナガキクイムシによる被害と防除効果
- 「東北地方の海岸林の現状と保全」を組むにあたって(東北地方の海岸林の現状と保全)
- P23-14 湿地化した放棄水田と継続水田における土壌炭素分解能の比較(23.地球環境,2012年度鳥取大会)
- タヌキによって種子散布される植物の果実の特徴