北限域におけるタブノキの更新初期過程(<特集>東北地方の海岸林の現状と保全)
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概要
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山形県女鹿の北限域のタブノキ林内と林縁およびその周囲の落葉広葉樹林において、タブノキの更新初期の動態を調べた。タブノキ純林内では種子は散布された翌年の夏にほとんど発芽したのに対し,タブノキ林縁部では約40%が散布された年の秋に発芽した。主な死亡要因は,種子では野ネズミなどの動物による捕食,実生では病害による立枯れであった。立枯れの発生は林縁や落葉樹林内に比べてタブノキ林内で多かった。2年生実生のサイズは光環境を反映し,タブノキ林内よりも林縁や落葉樹林内が大きかった。このようにタブノキ林内より林縁部や落葉樹林内の方がタブノキ実生の定着に適した条件を有していた。また,林縁の当年秋発芽個体と翌年夏発芽個体の成長量を比べると,当年秋発芽個体の方が良好であり,林縁では発芽時期の違いが成長に影響することが示唆された。
- 東北森林科学会の論文
- 2000-10-31
著者
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