豊作後ギャップが形成されたコナラ林の実生の生残と成長
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概要
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1998年に堅果の豊作と雪害による林冠ギャップが同時に起きた後のコナラ二次林において,コナラ実生の生残と成長を発芽から7年間調査した。当年生実生の4月の初期密度は平均155個体/m^2で,10月時点での生残率は約74%,定着7年目にあたる2005年10月の生残率も約40%と高かった。7年生稚樹の平均根元直径は2.8mm(最大6.7mm),平均樹高は21cm(最大66cm)であった。各調査区の7年生稚樹の生残率と1999年の相対光量との間には有意な正の相関が認められた。7年生稚樹の根元直径と初期密度との間には有意な負の相関が認められ,それらの樹高と2005年の相対光量には有意な正の相関が認められた。50m×50m方形区を2mグリッドに細分した625グリッドの40%において,7年生稚樹の最大樹高が30cm以上に成長していた。2003年からナラ枯れにより新たな林冠ギャップが形成されていることから,さらに成長が期待できる。このことから,この林分ではこれらの実生による更新が十分可能だと予想された。
- 東北森林科学会の論文
- 2006-11-30
著者
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