ヒノキアスナロの年輪幅同調性
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概要
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本研究ではヒノキアスナロの年輪幅をデジタルカメラで撮影した画像で解析し,個体・産地ごとに年輪幅変動に同調性があるかどうかを調べ,ヒノキアスナロで標準年輪曲線が作成できるかを試みた。材料は青森県内の6産地から採取された材12本分である。1個体につき2〜4方向において撮影した画像から年輪を読んだ。実測年輪幅を標準化後に個体内・産地ごと・青森県内全体でクロスデーティングし同調性があるかを調べた結果,全ての個体内で非常に高い相関を示した。また産地内においても個体間で有意水準1%で高い相関関係があった。その後,青森・津軽・下北地域ごとに産地間で相関関係を調べたところ有意水準1%で有意であった。さらに青森県全体で相関をみたところ3地域間共に高い相関が得られた。このことより,ヒノキアスナロの年輪幅変動は個体内ではもとより産地・地域さらに県内全体できわめて高い同調性を示していることがわかった。これより,すべての標準値を平均することにより青森県全体で1758年から1990年の232年分のヒノキアスナロの標準年輪曲線を作成することができ,ヒノキアスナロの井戸枠材や柱材の年代特定に利用できる可能性も示唆された。
- 東北森林科学会の論文
- 2005-09-30
著者
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