新たな洗髪用具開発のための実態調査(第1 報)

概要

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本研究の目的は,臥床状態にある患者の洗髪用具の使用状況,洗髪基準から,現在の洗髪用具の課題を明らかにすることである.対象は全国188 病院の看護師1880 名で,勤務病棟,洗髪用具等の内容の質問紙を用い,自記式郵送法で実施した.その結果,111 病院813 名から回答を得た(回収率43.9%).臥床状態にある患者に対する洗髪は週1 回行っていると答えた者が58.5%であった.臥床状態にある患者に対する洗髪用具に関しては,「洗髪車」44.1%,「ケリーパッド」31.6%,「高分子吸収ポリマー入りシート」53.0%,「その他の器具」30.9%が用いられていた.「高分子吸収ポリマー入りシート」の内訳としておむつが71.6%と最も多かった.洗髪の判断基準に関しては,判断基準が「ない」と答えた者が58.9%であり,そのうちの8 割以上の者が「看護師の判断」で洗髪を実施していると答えた.現在使用している洗髪用具,洗髪の判断基準から考察した結果,洗髪は看護師の判断に大いに委ねられているケアであり,看護師が容易に実施できる,患者にとって安全性と安楽性を考慮した,高分子吸収ポリマーの利点を残した洗髪専用シートの開発の必要性が示唆された.
2013-02-01