看護実習記録の返却と個人情報保護の両立に向けて-卒前卒後における実習記録の取り扱い状況から-

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概要

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実習記録は本来,学生の所有物という視点に立ち,個人情報保護法の全面施行以降も,A 短期大学では学生に実習記録を制約付きで返却している.本稿では,制約付きで返却された実習記録の卒後の管理状況を,A 短期大学の卒業生を対象にアンケート調査により把握し,実習記録の返却と患者の個人情報保護の両立について検討した.結果,卒業生の70% が,学生個々の管理下で保管していた.また,保管方法や処分の方法については卒前の実習記録返却時に指導したことを遵守していることが分かった.また,返却された実習記録の活用方法についても,保管している学生の多くが「学習の参考」としていることが分かった.制約付き実習記録の返却とその後の管理方法は指導に即しており,患者の個人情報が返却された実習記録を媒体として漏れるリスクは考えにくく,患者の個人情報保護と実習記録の返却は両立可能なことと考えられた.

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