看護基礎教育における「安全意識教育」の実態と課題 : 3回生への「ヒヤリ・ハッと」体験レポートに対するアンケート調査より
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概要
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2006年度3回生48名を対象に,本学の学生の安全教育に対する意識並びに,医療安全教育の効果,さらには教育課題を明確にする目的で,後期臨地実習後に著者らが作成した無記名指揮アンケート調査(自記式)を実施・分析した.2006年度の「ヒヤリ・ハッと」レポート300件の単純集計結果から,「ヒヤリ・ハッと」レポートを記述することへの抵抗感が薄れ,報告することへの意義が高まっていることが推察された.アンケートの量的データから「ヒヤリ・ハッと」レポートの記述が事故防止に対する自己意識の高揚や自己に繋がる自己行動分析・整理に効果があることが確認された.また自由記載欄の質的帰納的分析により,「ヒヤリ・ハッと」レポートの記述することの意味として,5つのカテゴリー【事故概念の広がり】【自分の危険予知・回避の知識・視野の広がり】【事故につながる原因の整理・分析への有用性】【自己の傾向の振り返り・自己洞察】【今後の行動への自覚の芽生え】が抽出され,肯定的に意味づけしているのが確認できた.今後は,自己意識を更に高め,安全教育の向上を図る為に,「ヒヤリ・ハッと」レポートの記述を促進する為にはレポート様式の変更,教育方法の工夫など,教育内容の改善の必要性が示唆された.
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