精神看護学実習における経年変化をもとにした実習展開の検討-1997・1998 年度と2009・2010 年度の比較-
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概要
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本研究は,精神看護学実習における現在の学習者の状況を理解するために,精神看護学が独立後10 年以上の経過したことを考慮しながら,独立前に使用した自己記入式調査表を用いて現在の学生と比較・検討している.それによって,実習前の気持ち,患者との向きあい方と理解状況,対人援助技能の活用状況,自己理解がどのように改善され,或いはどのような課題が残されているのかを明確にし,今後の精神看護学実習教育の充実・向上のための資料として活用することを目的にしている.対象は看護系短期大学の3 回生(98 名と99 名)である.結果,独立前の' 97・' 98 年度と比較して独立後10 年以上経過した' 09・' 10 年度の学生の方が,有意に問題方向の回答率を低下させて改善していた項目として,「看護計画を実施する過程で患者と一緒に考えられた(否)」が80.4%から62.5%(P<.01)である反面,97 年度生と比較して,実習中に「しんどい思いをしている患者に何もできない自分をみじめに感じた」は54.5%から79.2%へ(P<.01)と有意に上昇するなど,現代の学生達の課題が示唆された.
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